強盗に襲われた体験を持つ人は少ない。ましてや強盗に刃物を突き付けられ、しまいには頭部を刃物で突き刺されて、のたうち回った経験を持つ人は少ない。それでも、命は救われ、やがて普通に生活できるようにまで回復した。突き刺された刃物はどうなったのかというと、頭の内部に収まったままだった。現在76歳のこの男性が強盗に襲われた1994年当時、中国の山東省済南市の病院では、微妙なところに突き刺さっている刃物を上手く抜き取るだけの技術がなかった。抜き取る手術は、生命に“危険が及ぶ”とみなされたのだ。不思議なもので、応急措置が施されたまま抜き取ることなく生活してみると、それはそれで大丈夫となっていった。だから、そのまま放置していたのだ。ところが、強盗に襲われ18年が経過した2012年になって、頭部に何ともいえない“痛み”が生じるようになった。そこで病院へ行って視てもらったが、今の状態で刃物を抜き取ることに対して医師たちは慎重だった。本人はときどき“痛み”が生じるが、強烈な痛みというほどでもなかった。だったら、そのままの方が良い、という結論に達した。けれども、その後も“痛み”は治まるどころか徐々に強まり、しかも“視力”の方にも影響が出てくるようになった。もう限界だった。これ以上、待てない。そこで、今年4月2日に多数の医師たちにより、慎重に取り除く手術が挙行された。こうして、頭の中から10センチに及ぶ“刃先部分”が取り出されたのだ。無事、脳内を傷つけることなく手術は成功した。強盗に襲われ26年が経っていた。人生には時々、予期せぬ“災難”が襲ってくる。生命力の強い人は、どのような災難に出遭っても、生き延びられることが出来る。さらに生命力の強い人は、大きな後遺症も残らず、現役に復帰することが出来る。それでも、実際にはどこかに“悪魔の爪痕”を残している場合が多い。よく「古傷が痛む」という表現を使うが、まさしくそういう感じで何年も、時には何十年も経ってから、その“傷”が痛みだすことがある。もし、あなたの身体が生れてからずっと“無傷”のままであるなら、それ自体が“幸運な人生の証し”なのだと知っておいた方が良い。
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