昨日から今日にかけて、二つの“小さな出来事”がニュースとなった。その両方を読みながら、最近の日本が徐々に北朝鮮と同じような「告発社会」に変わりつつあるような気がして怖くなった。小さな出来事の一つは29歳の高校経論が、大阪市内の家電量販店内で美しい女性を無許可で動画撮影したというものである。それを目撃した男性が、撮影者を注意して捕まえ、そのまま警察署に連行、迷惑防止条例違反で逮捕されたというのだ。ニュースでは「胸元を撮影した」となっているが、容疑者は「きれいな女性を見つけたので撮影した」と言っている。無断で撮影するのは良くないが、逮捕するような出来事だろうか。もしも容疑者を捕まえた男性が「胸元を撮影した」と感じたのだとしても、そこで注意をして、それに相手が応じたなら、許してあげる寛容さがあっても良いのではないだろうか。わざわざ警察まで連行していく事件だろうか。警察の方も警察で、一応の厳重注意をしたなら“無罪放免”してあげても良い案件ではないだろうか。人間誰でも、美しいものに眼が行くことはある。そして、その時、たまたまタブレットを持っていたなら“映しておきたい”と思うことも自然なことではないだろうか。もちろん許可なく映したことは、迷惑防止条例違反だ。ただ、それは撮影された側が“そう感じた時”に成立するような気がする。例えば“ニュース映像”などで、無許可のまま多数の人達を撮影したものが放映されている。もし、無許可で撮影すること自体を禁ずるなら、あらゆるニュース映像、街角映像、観光映像は流せなくなる。それに、告発したのが“撮影されていた女性”ではなく、無断撮影を見つけた男性であったことも、何となく哀しい。彼はおそらく、自分は“痴漢を捕まえた”というような意識でいるのだろう。同じ男性でありながら、美しい女性を見て“記録に残したい”と思った男性を「犯罪者」としか捉えられない心の持ち主なのに違いない。もう一つの出来事は、幻冬舎の社長・見城徹氏が「ツイッター終了宣言」を行ったことだ。彼は自社から発刊した作品に対して批判を繰り返した作家の“小説の文庫化”を認めなかったということで、その作家の“怒り”を買った。そこで単なる“嫌がらせ”から認めなかったのではなく、数字的に無理だと思ったから認めなかったと“実売部数”をツイッターの中で公表した。それが「編集者のモラル」として問題だとする多数の作家たちから攻撃を受けた。謝罪をしたのだが炎上がやまないので、ツイッターそのものを中止したようだ。これも、ちょっとおかしな話で、確かに実売部数を述べたことは悪いが、それは“利益”の上で成り立つ“商業出版”において、或る程度、数字で判断していくのは仕方のないことのはずである。しかも、彼は「だからダメ」と言ったのではなく、このような数字でも担当編集者はあなたの味方だった…ということを解からせたくて“出した数字”だった。企業が、企業として成り立っていくためには「看板商品」は外せない。だから、それに批判を加えて来る作家を受け入れるためには“或る程度の数字”を求めるのは無理からぬことであろう。ところが、近年の日本ではちょっとでも“欠点”が窺われたもの、“綻び”が見えたものに対しては絶対に容赦しない。徹底的に“社会から抹殺しよう”という風な風潮が観られる。何かしら「自由にモノが言えない社会」を作り出し、かつての「大らかな日本」が消えてゆくようで、私は怖いのだ。
北九州市内のマクドナルド店舗内で12月14日、平原政徳容疑者(無職43歳)が無面識の二人の男女中学生を刃物で殺傷した。防犯カメラ映像などの追跡から平早容疑者が浮上し、19日になって 続きを読む
ときどき「良い悪い」とか「正しい正しくない」とか……そういうこととは別の「人間として…」考えてしまうような問題が発生する。多くの人が関心を寄せ、同時に心を曇らせるニュースが入った。 続きを読む
謎の飛行物体が、米ニュージャージー州を飛び交っている。11月中旬以降に頻繁に目撃されるようになった。確かに映像を見てみると、明らかな飛行物体で、その点は間違いがない。問題は“どうい 続きを読む
世界的な自動車メーカー「ホンダ」と「日産」が経営統合のための協議を始めた…との報道が出ている。これに将来的には、日産とかかわりの深い「三菱自動車」が加わって“三社統合”となっていく 続きを読む
人間には大きく分けて“二種類の人間”がいる。自分の“過去に執着するタイプ”と、過去にどんな出来事があっても、それはもう過去のこととして“執着しないタイプ”だ。そうして、どちらかと言 続きを読む
資生堂、コーセー、花王、ポーラ……と言えば、日本を代表する化粧品メーカーだ。これら企業は、中国をはじめとするアジア各国への輸出量が多く、広く“そのブランド名”が知れ渡っている。先進 続きを読む
人はときどき人生の途上で立ち止まる。「この道だけが自分の道なのか」と、立ち止まる。多くの人は、一時的に立ち止まるのだが……そのまま進んでいく。少数の人だけが、立ち止まった後「もう一 続きを読む
誰もが、解かったような解からない雰囲気で、このニュースを伝えている。アメリカ次期大統領のトランプ氏が日本の「安倍昭恵氏」を15日、彼の邸宅である「マール・ア・ラーゴ」の夕食会へと招 続きを読む
日本は“治安の良い国”として世界中から知られている。それは事実だ。けれども、失くした財布が3年後になって戻ったからと言って、すべての人が“心優しい人たち”などと誤解をしてもらっては 続きを読む
人の運命は、わからない。アメリカのデトロイトの養護施設で15歳の時に出産した少女は、やがて、その25年後にアフリカのガーナの都市タマレにおいて、14世紀に建国された「ダグボン王国」 続きを読む