それは私がまだ会社勤めを辞めて間もなくのころだった。“弟の知り合い”だと聞いていた彼とは初めて顔を合わせた。電話の声から想像していたより小柄だった彼は「そうだ、何を見てもらおうかな」と一呼吸置いた。何かがあるから“見て欲しい”のではなかったようだ。「仕事の方はどうですかね」他人事のように彼は切り出した。まだ“セミプロ占い師”であった私は「上司との関係さえ気を付ければ、あとは問題ない、と出ています」と判断した。すると「上司? いないんですけどねぇ…」と怪訝そうであった。そして「身体の方は大丈夫ですかね」と質問を変えた。「朝、早いお仕事ですか?」「まあ、5時半には職場前に並んでますから…」「どういうお仕事ですか?」疑問を持つ私にニヤリと笑った。「今はパチプロです」私はその時、初めて“パチプロ”という職業を知った。“パチンコで生計を立てている人物”に出逢ったのは初めてだった。確かに“上司などいない”はずだ。「パチンコ屋さんの開店って、そんなに早かったですか?」「いや、7時ですよ。開店前に並ぶんです。誰よりも早く並ぶんです。そして閉店まで打つ。仕事ですから…」高度成長期の室蘭では開店が午前7時、閉店が午後11時、それが一般的だった。あれから何十年も経ったが、宮城県の石巻市で“午前7時から夜0時まで”営業しているパチンコ屋の記事を見つけて懐かしくなった。今はもう通常の店は朝7時からなどやっていないのだ。だから“全国でもここだけ”ということで記事になっている。果たして朝5時半から並ぶ“プロ”はいるのであろうか。
ニューヨークと言えば「世界最先端の都市」として誰もが認める。それだけに、ニューヨークで始まったことは“他の地域”に影響しかねない。そういう意味で危惧するのがニューヨークの新たな法律 続きを読む
彼がTVに出始めた頃、わたしは彼の発言に対し「それはないだろう」と思うことが多かった。それに、どこか人間としての“冷たさ”を持っているようで、その部分も私には好きになれなかった。た 続きを読む
たまたま2人の人物の新刊書と、それにまつわる自伝的なインタビュー記事を目にした。その一人は元将棋棋士の桐谷広人氏であり、もう一人は元プロレスラーの赤井沙希氏である。元棋士7段であっ 続きを読む
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単身者や核家族が多くなったことで、ペットを飼う人たちが増えている。犬や猫だけでなく、近年は“さまざまな生き物”をペットとしている例が多い。彼らのほとんどは、そのペットを「家族」とし 続きを読む
ときどき歴史上の人物が、歴史遺産的な事柄に対して貢献していた事実を知る。今回の貢献も、地味だが貴重な貢献と言える。ユネスコの「世界の記憶」国内候補として文部科学省が「三種の仏教聖典 続きを読む
人は最終的に“自分の居場所”を求めて生きて行く。どんなに恵まれた環境でも、そこに“自分が居ない”と思えば、その中で“倖せ”を実感することはできない。人は、本能的に“ここが自分の居場 続きを読む
歴史というのは、時として“逆戻り現象”を生み出す。日本は昭和初期(1920年代後半)の頃、結婚の7割以上が“お見合い”によるものであった。それが徐々に“恋愛結婚”が増えていって19 続きを読む
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