われわれは誰でも、この季節になるとクリスマスとか正月とかを意識する。そして“今年一年”を振り返り、“来年”というものを漠然とではあるが意識する。奇妙なことに、時代が進んでも“一年の区切り”の意識は変わらない。なぜか、年間の区切りの時期は“夏”ではなく、“冬場”なのだ。この奇妙ともいえる“切り替えの意識”は、一つには“冬至の現象”によってもたらされる。「冬至」とは、24節気の一つで“一年中で最も日照時間の少ない日”のことを言う。今日が、その「冬至」である。誰もが感覚的に正月が近くなると「日が短くなったなぁ」と感じる。暗くなるのが早くなり、明るくなるのが遅くなる。それは毎年、必ず同じころに訪れる。そして、当たり前の話だが「冬至」が過ぎると徐々に日が長くなるので、“春に向かっていくような気分”になっていく。そこに「年始」が置かれているのは、中々合理的ではある。実際の季節は、これからが“冬本番”で、とても「春」などという感覚はないが、それでも“新春”と言い、“迎春”と言うのは、われわれが“気温”に反応しているのではなくて、“日照=光”に反応しているからに違いない。それは、古代人も同様であった。だから、古代人は“光で季節を区切った”のだ。「24節気暦」が誕生したのは、今から3000年位前になる。最初は“二至・二分”といって“冬至・夏至・春分・秋分”の4つだけが発見された。次が“四立”といって“立春・立夏・立秋・立冬”が定まった。この“二至・二分・四立”を「八節」ともいうが、これが24節気の基なのだ。だから、24節気というのは“太陽暦”の一種で、決して“太陰暦”でも“昔の暦”なのでもない。同じ日でも気温は毎年変化するが、光の時間は一定である。だから合理的な“季節の区分”は「節気暦」のほうにある。もし、気温で区分けするとしたなら、その年によって、或いは地域によって、季節が異なってきてしまう。光を基とすることで“科学的な季節分け”となるのだ。そう、古代人はわれわれよりも、ずっと“科学的な意識”の強い人たちだったのだ。
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