近年、日本や日本人に関する「美」が世界的に注目を集めている。そういう中の一コマとしてBBCニュースでも取り上げられるネット上のファッションがある。26歳の日本人アーティストminoriさんの「生きる芸術作品」だ。彼女は自らの肉体をキャンバスに見立てて“独特の白塗りメイク”を施し、年代物の衣裳を自分でデザイン制作し、自然や建物などと一緒に自らモデルとなって撮影、ファッションブログとして発信し続けているのだ。それは、いつの間にか「日本の生きる芸術」として、国内よりも世界各国からファンを集めるサイトになっていった。そして、ファンから招かれるような形で、世界各地のファッションイベントにも招待されるようになりつつある。元々が原宿に通っていた少女は、上品な“ゴスロリ・ファッション”がお気に入りだった。けれども、だんだん、それは“自分ではない”と感じるようになる。そうして徐々に“白塗りメイク”へと傾斜し、やがて自らがデザイン制作した“年代もの衣裳”を纏うようになった。そうして、そのファッションが似合いそうな“風景”を探す。こうして出来上がるのが、自然界と一体となったかのような「minoriアート」なのだ。時には“古い建物”が“自然界”の代わりを果たすこともある。どこかに“なつかしさ”を漂わせているのは、実際に“白塗りメイク”を行っていたのが、平安貴族や江戸時代の芸者達だからであろうか。ストリート・ファッションの延長線上に誕生した「生きる芸術作品」だが、正直、日本ではほとんど知られていない。一つには日本人にとって「東洋の神秘」は、特別、注目を集めるほどのものではないからだ。確かに神秘性はあるが、その点で言うなら他にもいろいろとあるからだ。或る意味で「日本」や「日本人」は、その存在自体の中に、生来の神秘性を宿している国民なのかもしれない。もしかすると「minoriアート」が、日本で本当に“評判”になる頃には、世界中から“カルト的に支持され”逆輸入する形でブームが訪れることだろう。
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