自分だけの“愉しみ”を持っている人は、それが“みんなの愉しみ”になることを根本的に好まない。それなのに、ひっそりと“自分だけの愉しみ”として始めたことが、いつの間にか世間の評判となり、あれよあれよという間に“社会的なブーム”にまでなって、もはや“自分だけの愉しみ”などではなくなってしまった。それが芸人ヒロシ氏の始めた「ソロキャンプの世界」だ。彼自身は“世間に広めよう”などという気持ちは全くなく、プライベートの趣味として「独りだけで行うキャンプ」を行っていた。誰に見せようというのでもなく、自分の「ソロキャンプ」の姿を撮影してYouTube動画として投稿していた。元々それを広めようという意識もなければ、それで人気を復活させようという意識もなかった。言ってみれば「寂しかったから…」誰かと“その雰囲気”だけでも共有したくて投稿していたにすぎない。したがって、面白いことをいうのでもなく、いろいろと解説するのでもなく、ただ単に“火を起こす作業”などを黙々と行っていた。ところが、世の中とはわからないもので、その黙々と作業し、ひとりの世界に浸っている彼を、閉塞感のある社会の中で働いている人達が徐々に支持していくようになる。つまり共鳴者が多くなり、自分も「ソロキャンプを行ってみたい」と希望する人たちが増えていった。さらにTVとか雑誌とかが、このブームを後押しした。いつの間にかソロキャンプ専用の販売コーナーまで出来るように変わった。そうなると、世間に「ソロキャンプの達人」が増えてくる。そういう人達の中には、元々は“ソロキャンプ”ではなくて、“普通のキャンプ事情”に詳しい人達、“山籠もり生活”に慣れている人達、“サバイバル生活”に憧れる人達なども出て来る。望んでもいないのに、いつの間にか芸人のヒロシ氏には「ソロキャンプの達人」が“第二の職業”であるかのようになってしまった。ところが、或る番組にゲストで呼ばれて、ヒロシ氏は「もう山に行きたくないんですよ」と告白している。「もう自分の家(うち)で寝たいんですよ」と言うようになった。「前は楽しかったんだけど…」と本音で語った。そりゃ、そうだ。元々「ソロキャンプ」は一人で行うものであって、TVスタッフが一緒だと本当のソロではなくなる。しかも、YouTube動画と違って、TV番組となってしまうと、いろいろ制約が出て来る。毎回、同じことだけでは飽きられても来る。自分ひとりだけの“愉しみ”などではなくなってくるのだ。最近になって「痔の手術もした」ヒロシ氏の場合、家の柔らかいベッドで寝たいのは当然だ。時に「人気」は、人の“倖せ”を奪っていく。
熊本県天草市の本渡郵便局の配達員が、今年4月、配達すべき郵便物500個を“ごみ集積場”に破棄していて、それを集積場の近隣住民が気付き、郵便局に知らせて事件が発覚、問題の配達員が解雇 続きを読む
私などはどうしても昔の名前である「桂三枝」と言いたくなるのだが、もう6代目「桂文枝」を襲名して13年も経っている。それなのに、未だに「三枝」と言いたくなるのは、妙に、その名と本人の 続きを読む
愛知県豊田市で19歳の女性・東川千愛礼さんが、刃物で胸などを刺され玄関先で死亡しているのが発見された。その翌日、京都方面に逃亡していたとみられる元交際相手・安藤陸人(20歳)が殺害 続きを読む
最近、見知らぬというか、聴き慣れないというか、政党が次々と誕生している。時代の変化は、当然、政界にも及んでいて、昔からの“弱小政党”はだんだん忘れられつつある。そこで…というわけで 続きを読む
ペルーのワスカラン山で日本人登山家ふたりが遭難し、その一人である登山家で医師でもある稲田千秋氏(40歳)が亡くなった。もう一人の登山家・寺田紗規氏(35歳)の方は救助されたが衰弱し 続きを読む
いつの頃からか北海道の十勝・大樹町と言えば「宇宙のまち」という形が根付き始めた。この町には、他にも「砂金のまち」とか「ミニバレー発祥のまち」とか「清流日本一のまち」とかいうアピール 続きを読む
今から13年前「東京」と「ニューヨーク」では、ほとんど変わらなかったものがある。ドル換算による当時の“平均月収”だ。やや意外な気もするが、それまでの日本は、そんなに“薄給の国”では 続きを読む
バブル期に放映され人気を集めた「笑ゥせぇるすまん」の実写版12回が、7月18日からテレビ東京系で配信されるという。その主役である“無料で幸せを売る男”喪黒福造役となったのがロバート 続きを読む
6月23日にフジテレビの制作部長が「常習賭博」の疑いで逮捕され、続く24日には現役アナウンサー(27歳)がオンラインカジノを行ったとして「書類送検」された。実質、同じことを行ってい 続きを読む
ときどきTVから録画してあった大昔の映画を観る。昨日も80年代前半に公開された原田知世主演の「時をかける少女」を観た。この映画は筒井康隆氏の小説を脚本化したもので、ちょっとSFっぽ 続きを読む