海外から時々、日本人が“大量に捕まる”ニュースが飛び込んでくる。昨日、タイのパタヤでは新たに8人のグループが捕まり、フィリピンのマニラでは36人のグループが捕まった。東南アジアを拠点にした“特殊詐欺グループ逮捕”のニュースは当然のことながら、現地でも報道される。性懲りもなく何度も“特殊詐欺”で摘発される。それなのに、この種の犯罪は一向に減らない。もし、逮捕された人々を全員“顔写真入りの実名”でTV報道したなら、あっという間に“この種の犯罪”は減っていくのではないかと思うのだが、理由は判然としないが、顔写真も、実名も、決して報道されることはない。けれども、彼らの行っていることは、正真正銘の詐欺である。今回の場合でも、マニラ拠点の詐欺では被害は1400件に及び、被害総額は20億円に及ぶ。確かに、彼らは最初から“特殊詐欺”だと知って仲間に加わった人物ばかりではない。「効率の良いアルバイト」とか「ちょっとだけ稼いでみないか」という誘い文句に引っ掛かった人々も多い。けれども結果的には“特殊詐欺グループ”の手先となって動いたことは間違いがない。悪い事という自覚は持っていたはずなのだ。大体、海外まで出掛けて行って、一つの部屋に閉じこもり、終日、見知らぬ日本の高齢者に対して電話をかけまくるということが、犯罪加担の自覚なく出来るわけがない。しかも、現在は現金を直接送金させるという手口はもうとらない。キャッシュカードを受け取る、という形が圧倒的に多くなってきているのだ。悪質なのはマニラの方のグループは“金融庁の職員”を名乗っている。こういう役所関係からの問い合わせや指示に日本の高齢者は弱い。パタヤのグループは電子マネーを買わせる方法を使う。どちらにしても簡単に足がつく“現金”ではなくなっている。特殊詐欺グループと警察との“イタチごっこ”が続いているのが実態なのだ。もし、詐欺グループの“手足”となって働く「かけ子」や「受け子」の“なりて”が居なくなれば、自然にこの種の犯罪は減少する。なぜ、実名報道が出来ないのかわからないが、少なくとも18歳以上は“顔写真”と“実名”は公表するようになれば、急激にこの種の犯罪は減っていくだろう。
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