私には未だに“忘れられない映像”がある。荒れ果てた荒野で生活している子供達が、日本の報道カメラに対して「僕たちには神様がいる」と瞳を輝かせたのだ。戦火の中で何時間もかけて“水汲み”を日課にしている子供達だった。その時、この子供達が逞しく生きていくためには「神様」が必要なのだと理解した。神様がいる…と信じることが必要なのだった。そうでなければ、とてもこんな“不毛な荒野”で明るくなど生きていられない。未来に希望など存在しなくなってしまう。だから、彼らには「神様」が必要なのだ。現代の日本のように、それなりの社会福祉構造が整って来ると、人は「神様」に頼らなくなってくる。神様よりは役所の方が役立つからだ。ところが多くの人の懐が豊かになり生活が潤うようになってくると、人は「オカルト」的なものに興味を持ち出すようになる。「超能力」「心霊」「UFO」「予言」「古代文明」などの分野だ。したがって日本で「オカルトブーム」が巻き起こったのは経済が右肩上がりで、生活に余裕が生まれてきた70年代である。そのブームの“火付け役”的な役割を演じた一人が「スプーン曲げ」で登場したユリ・ゲラー氏だった。あの時、日本中が“スプーン曲げ”に沸いた。あれから何十年もたって、もう誰もユリ・ゲラー氏を“すごい人”とは思わない。まあ「変なオジサン」がよいところであろう。それが「海外ニュース」の片隅に出る。「メイ首相の考えを超能力で阻止する」と真顔でいうのだ。それを英国メディアが取り上げたのは、そういう風なものに頼ってでも“阻止してほしい”と願う人々の気持ちを伝えたいからだ。「報道ステーション」という番組では、そういう海外メディアの報道を“懐かしい昔の映像”を組み込んで流した。それに噛みついたのが「オウム事件」で名をとどろかせた評論家・江川紹子氏だった。彼女に言わせると、ユリ・ゲラー氏と麻原彰晃(オウム真理教教祖)とは“同じ匂いのする人物”であり、若者たちを洗脳していった凶悪なる詐欺師と映るらしい。それ故にワイドショーでもない「報道ステーション」が“ユリ・ゲラー”のような人物を取り上げるのは、あまりに不謹慎であり、メディアとしての資質を疑うとお怒りになっている。もしかすると彼女は、世の中から「オカルト」に分類されるものを一掃したいのかもしれないが、オカルトの何もかもを「悪」と決めつけるのは少し違うと思うのだ。確かに「オカルト」の分野に“詐欺師的人物”が多いことは事実であろう。けれども、真摯な研究者も目立たないがいる。マスコミは目立ちやすい「悪」の方ばかりに光を当てがちである。今の日本は、生活の余裕が失われて「オカルト」的なものが隅に追いやられがちである。人々の生活が潤い出した時、再び「オカルト」は違った形でブームとなるに違いない。
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歴史の教科書に出て来る「ハンムラビ法典」その中に「眼には眼を、歯には歯を」の一節がある。これは一般に誤解されやすい諺でもあるのだが、本来は「眼を潰されたなら、相手の眼を潰し、歯を抜 続きを読む