近代に入って世界的にじわじわと勢力を拡大しつつあるのが「イスラム教」という宗教である。一日5回の厳格な礼拝義務を課すこの宗教が、ITが普及した現代でも受け入れられているのは奇妙な気もするが、一つだけ“受け入れやすい”要素はある。それは「神」を“見えない存在”として、形ある偶像崇拝をしないことである。キリスト教なら“マリア像”とか“イエス像”に対して、仏教なら“釈迦像”とか“菩薩像”に対して、ヒンドゥー教なら“シバ神像”等に対して、みなそういう“崇拝対象物”に対して祈りを捧げる。ところが、イスラム教はこれを持たない。持たないどころか固く禁じている。「聖なるメッカ」だけが“祈りの本拠地”とはなるが、祈りの対象物があるわけではない。したがって、イスラム教のモスクは、どこに行っても崇拝対象の彫像はなく、がらんとしている。その点では日本の「神道」に近い。神道の場合も崇拝対象の偶像はない。或る意味で、自然科学の進歩は“形を持たない神”の方が“受け入れやすい時代”を作ったともいえる。ただ日本の神道と、イスラム教徒では大きな違いがある。一番の違いはイスラム教の場合“生活に対する規制”があまりにも多いことだ。例えば一日5回の礼拝。認められた食物以外の禁止。家族への入信義務。断食の強制。女性は肌を見せることの禁止。公衆における男女同室の禁止……など切りがない。そこへいくと日本の神道は、おおむね自由だ。何んと素晴らしい。せいぜい1日1回手を合わせていれば良い。昨日、バングラデシュで「イスラム神学校」の女子生徒が、その学校の校長からセクハラを受けたとして、地元警察に通報した。ところが、そこの警察署長は一応その訴えを受理しながらも、軽く受け流している聞き取りの様子が“動画”として隠し撮りされていた。そして、その動画がネット上に投稿された。これを知ったセクハラの加害者である神学校の校長が、その取り巻き達に対して「何とかしろ」と指示を与えた。女子生徒は神学校の屋上に呼び出された。周りを取り囲み、訴えを取り下げることを要求した。けれども彼女ヌスラット・ジャハン・ラフィさん(19歳)は拒否し続けた。その結果、周りを取り囲んだ者達は彼女に灯油をかけ、火を点けたのだ。炎に包まれた彼女はのたうち回って死んでいった。近年、宗教絡みの性犯罪や事件が多過ぎる。特に、厳格な“規律”に縛られた宗教ほど、そういった事件が多い。性的な事柄に関して、幼い頃から“罪深き事”と戒めている地域ほど“性愛絡み”の犯罪や事件が多い。厳格なイスラム教徒の女性は「肌」を見せない。体形さえもわからない衣裳を着る。顔さえも黒い頭巾で覆うのだ。真夏の炎天下に、全身黒づくめの女性達が街を歩くのは異様に映る。つまりは、そうやって“性的妄想”が膨らむのを防ごうという苦肉の策なのだ。いかにも性欲が強かった男性が定めた宗教規範らしい。むしろ、性に対して“開放的な地域”においては、そういう犯罪を聴いたことがない。ここ数年、日本でもマスコミなども含めて性的規制を厳しくしようとする動きが盛んである。身体は覆っても、心を覆うことは出来ない。心を覆うことの出来る宗教なら、全身を“黒く”塗りつぶしたりしない。
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