正確にいうと順序が逆で“終戦記念日”に「三太郎」が産まれたのではなく、我父親である「三太郎」が産まれた日がやがて“終戦記念日”となった、ということである。明治38年の生れであるから、もし生きていれば114歳になるはずだが既に72歳で亡くなっている。今となっては亡くなる前年に、父親が好きだったプロレスの観戦チケットを得て、連れて行ったことが最後のというか唯一かも知れない親孝行となった。リング上で大仁田厚選手がジャイアント馬場氏から「参戦することになった」と紹介があったが、身長があまりに違いすぎて「子供のようなレスラーだな」と思ったのが印象に残っている。だから、後にあれほど活躍するとは思いもしなかった。プロレスを観戦した後で、一緒に寿司屋に入った。多分、二人だけで飲食をしたのは初めてだったと思う。私は幼い頃から、父親と一緒に食事するのは好きではなかった。なぜなら父親が必ず、他人の悪口を言うからだ。そうして母親などがそれに同調しないと、母親にまで当たり散らす。今考えても、あまり“好い性質”とは言えなかった。だから、こういう大人にだけはなりたくない、といつも思った。寿司屋に入った日も、相変わらず、父親は職場の悪口などを言っていた。けれども、大人になったことで、私はそれを聴いてあげられるだけの度量が生まれていた。ただ、父親の背後に何となく“暗蒙の気”が漂っているのを見逃さなかった。「それなら、もう仕事は辞めても良いんじゃない」私は、暗に、仕事を継続するのは良くないと告げたのだった。けれども父親は、その言葉に反応しなかった。それでも私がプロレス観戦やすし屋に連れて行ったことで上機嫌だった。それから数カ月たって、正月、久しぶりに兄貴の家を訪れた。父親の居る襖を開けた瞬間、私は“一寸法師”のように小さくなった父親の背中を見た。「あっ…」と小さく声を上げると同時に、父親は“普通通り”のサイズに戻った。私は“不吉”な胸騒ぎがして、帰り際、兄貴に対して父親をもう職場に出さない方が良いと警告した。けれども兄貴は「いや、仕事があるから元気でいられるのさ」と取り合わなかった。それから十日ほどして父親のがんが発覚した。もう末期で手術は不可能だった。こうして、その後あっという間に亡くなってしまった。「三太郎」という名を、本人はとても嫌がっていた。この名前のせいで人生が上手く行かなかった、と言ったりもした。そのくせ私が自分の名前を改名して“表札”を掲げると、それには文句を言った。私が「占い師」になることも最後まで反対した。父親の祖父が占いに凝って財産が失われたと教えられて育ったからだった。
世の中に「占い師」は沢山いるが、こういうふうに年月日をハッキリと指定して、未来を語ることのできる占い師はそうそう居ない。まあ、こういうことを自分で言うんだから、自信過剰としか言いよ 続きを読む
われわれが海外を旅行する時にも、ときどき感じるのが“日本国内の安全性”だ。少なくとも、国内にいる限り、理由なく襲われるとか、何かを盗まれるとか、道に迷っても放置されるとか……そうい 続きを読む
中国系の企業がニセコに建設していた豪華ホテルが未完のまま昨年の暮れらか放置されたままになっている。それを手掛けていた中国系企業が経営破綻したからだ。外観は完全に出来上がっているので 続きを読む
昨年7月、ロケバス車内で、20代のTV局スタッフ女性に「性的行為を行った」ということで吉本興業から契約解除された元ジャングルポケットの斉藤慎二被告。在宅起訴となったが、まだ正式な解 続きを読む
元SKE48だった石田安奈氏が、4億円とも言われる豪華新居を、メディアに初公開して話題となっている。現在28歳だが、既にSKE48を卒業して7年、比較的すぐに結婚し、子供もいる。旦 続きを読む
わたしの記憶が確かならアムンゼンだったような気がするのだが「10年の準備10分の成功のため」という言葉を遺していたような……。この事件の容疑者は、あまりにも「後先を十分に考えていな 続きを読む
最近は何でもデジタル化だが、それがかえって“手間取る”原因になったり、いったん故障した場合には、どうすることも出来ない状態となるなど、デジタル化の弊害が目立つ。投資家として知られる 続きを読む
昔から「名は体を表す」という言葉もあるが、同時に「名前負け」という言葉もある。「阿部(あべ)」という苗字を持った親が、わが児(女児)に対して「麻里亜(まりあ)」と名付けるケースが稀 続きを読む
職場内において、連日「お前は使えない」などの“強い叱責”を繰り返され、会社の人事課などにも相談し、実家家族にも電話で「この会社を辞めたい」と話していた25歳の青年が、それから間もな 続きを読む
4月29日は「昭和の日」そして今年は「昭和100年」に当たる年らしい。ということで、秘かに注目を集めているのが“昭和レトロな店”ということであるらしい。その代表的なものとしては「レ 続きを読む