今年はスポーツの世界が荒れている。あまりにも“予期せぬ出来事”が多い。10月21日に行われた福岡での通称「プリンセス駅伝」で、途中転倒して右脛骨を骨折し、それでもはいつくばって200m先の次区間走者にタスキを渡したのが飯田怜選手だった。両ひざから出血し、痛々しいまでの姿で必死に這いつくばり続けた。この行為自体に関しては賛否両論がある。まず、第一に“どうして止めなかったのか”という点だ。実は彼女が所属する岩谷産業の広瀬監督はTV映像を見てすぐに「止めさせてくれ」と指示を出した。ところが審判員を載せている観察車には何故かすぐに伝わらなかった。そして伝わった後も、審判員はすぐにストップさせなかった。本人の様子を見て「止めるかどうか迷ったが、もうすぐだったので継続させた」というのだ。この判断は明らかにジャッジミスである。監督がストップをかけているのに、審判員が継続させるというのはおかしい。逆なら、話としてまだ理解できるのだが…。その結果、入院後に右脛骨の骨折が判明した。つまり、走れる状態ではなかったし、這いつくばって進むことも本来なら無理な状態だったのだ。但し、その結果として、無名だった「飯田怜」の名は“全国区”となり、その“ひたむきな健闘”は多くの人に感動を与えた。実業団の駅伝は“単独プレイ”ではない。したがって、自分がギブアップしてしまうと、他の選手たちが走れなくなる。会社を背負っているので、多くの関係者に迷惑が掛かる。スポンサーを持つ多くのスポーツ選手は、だから無理をしがちとなる。その代償として身体に“異変”をきたす選手も出て来るのだ。運命学的に見ると、今回の飯田怜選手に起こったアクシデントは、彼女の人生に「吉」として出るのか「凶」として出るのか、今の時点ではまだわからない。無名だった彼女にスポットライトが当たったことで、実力とは異なるところで“人気運”が作動し始めるかもしれない。或いは逆に、骨折してしまったことで思うような走法が出来なくなり、仕事や生活にも支障が生じて、不遇な人生を歩みだすかもしれない。まだ吉・凶の判断は下し難い。ただ人間というのは、人生に一度くらいは“這いつくばっても”歩まなければならない時がある。どんなに惨めでも、どんなに悔しくても、どんなにつらくても、その歩みを止めることが出来ない時がある。そして、そんな自分を懐かしく思い出す時が来る。
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