“若者の車離れ”に歯止めが掛からない。それを何んとか防ごうと、19日、トヨタは新しく「GR」シリーズを発売すると発表した。スポーツカーブランドを一新することで、低迷が続く国内の自動車販売をテコ入れしたい考えなのだ。しかし、それによって若者たちは“車に興味を持つ”だろうか。おそらく持たない。第一、若者たちの多くは、車の免許を取ろうとしない。車の免許を持っていることが、ステータスであり、就職時のアピールポイントだった時代は終わっている。免許取得には“金”と“時間”が掛かり過ぎる。それならば、無理に免許を持とうとは思わない。当然の帰結である。或る意味で、“若者の結婚離れ”と似たような感覚がある。“生き方”が多様化してきたことの表れなのだ。私は十代の時に読んだ『何でも見てやろう』を思い出す。後に社会運動の方で有名になった作家・小田実氏の世界旅行記の題名だ。その『何でも見てやろう』の中に、アメリカで車に乗る時の話が出て来る。彼は女性から「車を持っているか?」と訊かれて、持っていないと答える。「免許を持っているか?」と訊かれて、持っていないと答える。そうすると女性は「マーベラス!」と言って目を輝かせたというのだ。つまり「素晴らしい!」という風な意味合いだ。当時のアメリカ社会では、若者たちのほとんどすべてが車の免許を持ち、車を所有し始めていた。だから「サムライの国」からやってきた若者が、そんなものは持っていない、という風な答え方が神秘的に感じられたのだ。私は、これを読んだとき、まだ十代だった。そして、その反応の意味がよく解からなかった。車の免許を取り、車を所有することは、若者たちの憧れだった。あの時、既にアメリカは「成熟した社会」に向かいつつあったのだ。そして、今、日本の若者たちは、そういう社会を形成しつつある。だから車に興味を持たず、免許を取ろうとはしない。だから、むしろ、国内販売が振るわないのは、日本が本当の意味での「先進国」になった証拠であり、アジアやアフリカなど、現在急速に経済発展している国の若者たちが“車を欲する”のは、これまた当然のことなのである。
オリンピックを「平和の祭典」というふうな表現をしていたのはいつだったろう。いや、今でもだろうか。まさか、もう誰もそんなことは信じない。いろいろな意味で、オリンピックは汚れてしまった 続きを読む
ときどき“ややこしいこと”をする人がいる。そしてそれが妙に注目を集めて、欧米においては“寵児”として人気者になったりするケースも多い。そういう人物の一人が「アヤ・ナカムラ」だ。果た 続きを読む
わたしは動物たちに関して詳しくないのでわからないが、犬は「飼い主」を求める性質を持ち、猫は「飼われた家」を求める性質を持つ、ということは知っている。つまり、どこまでも飼い主を捜し求 続きを読む
国家の“経済運営”に大きな役割を果たすのが中央銀行の「利上げ」と「利下げ」の決断だ。現在、その「利上げ・利下げ」の両方で、日本とアメリカ…それぞれに“決断の時”が訪れようとしている 続きを読む
近年、アスリートたちの“早熟化”が進んでいる。あらゆるスポーツの分野で、幼い頃からの“英才教育”とでもいうか、特別指導が行われていて、それが実を結んで、早くからその能力を存分に発揮 続きを読む
世間の9割方が、今回の米大統領選は「トランプで勝負あった」と見ていたのに、ここにきてバイデン現大統領が「撤退」を表明。現副大統領である「カマラ・ハリス女史を推す‼」と方針転換した、 続きを読む
“時代の変化”はどうしようもなく、やって来る。それは誰しもが経験することで、どの年齢の人たちもが、いずれは感じるようになる。問題は、その変化に“自分を合わせて”生きて行けるかだ。こ 続きを読む
異常気象というのは、時として思いもかけぬ「発見」をもたらす。ブラジル南部を襲ったのは記録的な豪雨だった。それによって多数の地域で洪水とか土砂崩れなどが起こったのだが、それによって視 続きを読む
その名前は確かに父親が日本人であることを物語っていた。ファビオ・トシロウ・キクオ氏(42歳)は、6年間交際した相手であるブルーナ・ビジャリーニさんとの結婚式を無事に終え、翌々日には 続きを読む
第171回目の直木賞が、一穂ミチ氏に決まったという。最初は同人誌でボーイズラブ小説を手掛けていて、それが編集者の眼に止まり、近年、一般小説に転向していった作家らしい。それは良いのだ 続きを読む