私は時折、他の雑誌などと共に週刊誌を購入する。大抵は見出しに“興味深いタイトル”を見つけた時だ。ほとんど躊躇することはなく時には2~3冊まとめて購入することもある。男性の多くは、私と似たような“購入の仕方”をするのではないだろうか。ところが最近の週刊誌には“袋とじ”になっている箇所が多い。前日に購入した週刊誌は3か所も“袋とじ”になっていた。その一つは“薬品関係”の図表記事。その一つは“過去の特集”をまとめた写真記事。その一つは“グラビア写真集”の写真記事。そのどれもが、ハッキリ言って“袋とじ”にしなければならないような内容ではない。その一つの見出しタイトルには「女性器」という言葉が入っている。だから袋とじにしたのだろうか。ところが、その中を開けてみても、どこにも「女性器」など出て来ない。女性器どころか「ヌード写真」さえ出て来ない。過去の雑誌の“見出しタイトル”だけが沢山出て来る。唯一、女性器を連想させるのは多数の女性の下腹部を撮影したらしい個展会場の写真なのだが、その“下腹部に当たる部分”にすべて“ぼかし”が入っているため、それが下腹部なのかどうかさえも解からない、奇妙な写真なのだ。こんな小さな写真で、しかもそのすべてにわざわざ“ぼかし”を入れて、何が何だかわからない写真を載せて、しかも、それが“袋とじ”にされている。最近は、だからいちいち“袋とじ”を開かないことも多いのだが、今回は一応全部開いてみた。けれども、その三つが何ら“秘密”にすべきようなものではなく、一体、何の意図をもって“袋とじ”にしているのか理解不能のものばかりであった。大体、自宅であれば問題ないが、よく旅先などで時間つぶしも兼ねて週刊誌を求めることも多い。そういう時に、乗り物の中で“袋とじ”を開くのは躊躇してしまうこともある。昔の“袋とじ”は切り取り線が付いていて、そこから切り取れるようになっていたのに、今はそれもない。したがって、本当に破り取るようなことをしなければ、その中身が観れない。それでいながら、実際に破いてみると、いったい何を“隠しているのか”理解に苦しむようなケースが圧倒的に多い。編集者のセンスを疑うというか、いったいどういうつもりで“袋とじ”にしているのか、問いただしたいような内容のものが多い。「見出しタイトルに騙されて買ってくれれば…」ということなのだろうか。実際に“袋とじ”にしただけで、そんなに売れ行きが違うのだろうか。大昔、私は地元の雑誌社から依頼を受け『占い堂』という雑誌に執筆していたことがある。その時、その社長はよく私に「袋とじにしてしまおうか、と思うんですよ」と語っていた。「どうして?」「コンビニで読む人たちって、読んでも買わないからです。“袋とじ”なら買わなきゃ読めない」「占いの本で“袋とじ”ですか…」「ただコストがかかるんですよ。だから、そうするなら値段をあげないと…」結局、その年も“袋とじ”にはならなかった。やがて、その雑誌社そのものも閉じられてしまった。
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