あなたは「漂流瓶」というものをご存じだろうか。多分、知らないだろう。中国で最近、目覚ましい普及を見せている「独身脱出便利店」内に置かれた“出逢いを求める瓶”のことだ。中国という国は「進んでいる」のか「遅れている」のか、よく解からないようなところがある。わかっているのは、何でも、あっという間に普及していくことだ。そういう意味で言えば、間違いなく「独身脱出便利店」は“新たなる流行”の兆しを見せている“お店”ということになるだろう。だが新たなる流行にもかかわらず、たいていは路地裏の片隅にある。店内の棚には、300から400の瓶が立っている。その瓶こそが、この店の唯一の商品である「漂流瓶」だ。この漂流瓶について日本人が理解をするためには、行きつけのスナックに“自分のボトル”を置いた、と思えばよい。ほとんど同じようなシステムが「漂流瓶」だからだ。つまり、その瓶(日本円で180円~890円くらい)で購入して、その中に「自分への連絡方法」を記しておく。そうすると、来店者で興味を持った人が連絡をして来て、メールや電話や実際のデートが始まっていく、という仕組みである。つまり、その店に行けば、自分への“連絡先”を書き残すことも出来れば、既に置かれてある瓶の持ち主へ、こちらから連絡を取ることも出来る。あくまでも「独身脱出用」なので、独身であること、結婚を目的としていること、それらが利用の条件となる。もし、この店を通じて「結婚」が成立した場合には「漂流瓶」は棚から取り除かれ、その人物に“連絡”を入れていた人たちにも通知される。利用者たちの内訳は女性が6割、男性が4割で、年齢は18歳から35歳迄さまざまなようだ。日本の「お見合い登録」などだと年齢層がやや高い場合も多いが、この店の場合には“高年齢者”は扱っていないようである。まあ、金額的な面から考えても、或る種サークル感覚での利用が多いのかもしれない。中国の独身人口は今や2億4000万人で「4億8000万の瞳」が独身という事態になっている。そのうちの約1億人が完全なる「ひとり暮らし」で、特にそういう人達からの需要に応えているのが「漂流瓶」なのだ。いまや経済的には日本を追い越した感のある中国だが、この「漂流瓶」の流行はお金で買えない「愛」を求めているようで、何故かホッとした気分にさせられる。
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