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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


配達員の若者は「母親&子供」の両方を救った


中国で高架橋の上から今まさに“飛び降りよう”としていた女性を、フードデリバリー配達員の若者がバイクを投げ出して救出する動画が大きな反響を呼んでいる。その女性は最初は赤子を抱いていたのだが、その児を道脇に置いて橋の欄干を飛び越えようとしたのだ。その時、たまたま橋を通過中だったフードデリバリーの配達員が瞬時に自らのバイクを放り出し、その女性の身体に飛びついた。本当に1~2秒遅かったなら、飛び降りていたに違いない。動画で見ると、なんの躊躇もなく女性にしがみついて静止した様子が判る。おそらく彼は走りながら状況を眼にして何の迷いもなく仕事を放りだしたのだ。もし彼が乗っていたのが乗用車なら、止めるのに時間がかかり間に合わない。フードデリバリーの乗り物だったから良かったのだ。もっとも、車体は完全に横倒しになったから、デリバリーの食品が大丈夫だったかは保証できない。とにかく彼は“飛び降りようとした女性”の命を救った。それが「衝動的な行為」だったように思えるのは、直前まで赤子を抱いていたからだ。いや、もしかすると本当は“抱いたまま飛び降りる”つもりだったが、橋の欄干が高く抱いたままでは無理だと知って、子供だけ歩道脇に置き、一人で飛び降りる形に切り替えたのかもしれない。赤子だけ置かれていたら発見しにくい。歩道はあっても人通りはほとんどない。つまり、デリバリー配達員の若者は、母親である女性の命を救っただけでなく、赤子の命も同時に救ったのだ。中国は近年、経済的に目覚ましい発展を遂げているが、個々の経済的な“格差”は日本よりもずっと激しい。習近平政権はその是正に取り組んでいるが、理屈通りにはいっていない。急激な発展は遂げたが、さまざまなところで“ほころび”が目立ち始めている。日本にもさまざまな問題はあるが、少なくとも“福祉制度”に関してはまだ日本が上回っている気がする。けれども、この中国の若者のように「とっさに救い出そうとする勇気」を持っている若者は多いだろうか。やや欧米化してしまった日本は、どうしても他人のプライバシーに対して“踏み込んで行けない”場合が多い。人間には、時に強引なほど“荒々しく助ける行為”が必要な時もあるのだ。
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