久しぶりに朝から外が寒かった。そう思っていたら、雪が降りだした。えー4月半ばなのに…と思っていたら、出掛けるときには横殴りになっていた。真冬用のコートで歩いたが暑くはなかった。少しだけ、暖かい地域がうらやましかった。レストランの窓から雪が降り積もっていくのが見えた。雪というのは、それまで春の街並みだった景色を“白く染めていく”絵模様としてはとても美しい。けれども、いざ外へ出ると、寒いし、濡れるし、周りが見えないし、ろくなことがない。そういえば先日、故郷「室蘭」の写真をアップしている画面を見た。ぎょっとするくらい美しかった。こんなに美しい街だったろうか。街が変貌して美しくなったのではない。確かに昔、見ていた風景なのだ。なのに、写真で見直すと、とても美しい。ところが私はどうも好きになれなかった。風が強すぎるのだ。特に真冬の風は雪を蹴散らして舞い上がり、異様なほどに渦を巻いて身体の芯まで凍えさせていく。あの風は写真には現れない。いや、現れるかもしれないが、それはそれで、絵模様としては妙に美しいのだ。室蘭に雪は積もらず、路面はいつもてかてかだった。思い出に残っているのは、粉雪舞う中で、必死に前に進もうとしている氷像のような私の姿だった。室蘭は“焼き鳥”が名物だが、それは寒さの中で赤ちょうちんが唯一ぬくもりを感じさせ、熱く身体を温め、美味しく感じられるからだ。私はイタンキ浜の近くで育ったが、その夕映えは確かに美しい。けれども同時に、水平線の向こうに消えていく姿はもの悲しい。海の音までもの悲しくなる。たった独りで、私はいつまでも水平線を見ていた。だから室蘭は、私にとって“寒い記憶”だけがヒューヒューと渦巻く。写真の景色が美しいからと言って、実際に暮らすのに適しているとは限らない。
ときどき地震学者というのは、何のためにいるのだろう…と思うことがある。政府が調査を依頼した「地震調査委員会」が一連の能登半島の地震活動に関しての結果報告を行ったが、すべてがあいまい 続きを読む
わたしは以前から、人間をすべて“平等”に扱おうとすること自体に対して疑問を持っている。近年はコンプライアンスの浸透から「平等でなければならない」という考えがはびこっているが、ほんと 続きを読む
北イタリアの田舎町にその大学はある。年間の授業料が250万円という大学だが、世界各国から優秀な学生たちが集まってくる。正式名称は面倒なので省くが「食科学大学」という3年制の大学だ。 続きを読む
不思議なことというのが、世の中にはよくある。その一つに「運気の共通性」というものがある。もっとも、これは私だけが言っていることで、他の誰かが言っていた言葉ではない。けれども、敏感な 続きを読む
大変に興味深い映画の全国上映が決った。正直言って、この映画は興味深いが、あまり“おすすめ”は出来ない。まあ、今の時代に“何となく”鬱積したものを感じている人には“おすすめ”と言える 続きを読む
アフリカ中央部に位置する「コンゴ」という国は、われわれにとってはあまりなじみ深い国ではない。したがって、どうしても“遠い国の出来事”と考えがちだ。ただ昔、流行(⁉)したエイズなども 続きを読む
わたしは「運命」というものを扱う仕事をしている関係から、どうしても人生的に“波乱の多い人”や“人生遍歴の激しい人”に眼が行きがちなところがある。そういう点から言って、この人は“良い 続きを読む
韓国の尹大統領は3日、TV演説を行い「非常戒厳」を発動した。戦争の時などを想定している“大統領権限”だが、すべての政治活動が禁止され、メディアなども統制を受ける事態となる予定で、突 続きを読む
人の言葉には「幸運」を呼び込む力を持っている言葉と「悪運」を呼び込む力を持っている言葉とがある。特に、不運なことが重なって、落ち込みそうなとき、自らに“言い聞かせる”かのような前向 続きを読む
こういうことを書いて良いかどうか、ちょっと迷った。だが、彼の言うことをまともに受け止めてしまう方がおられるかもしれないので、書いておくことにした。経済評論家で、このところ矢継ぎ早に 続きを読む