オランダと言えば車の数よりも“自転車の数”が圧倒的に多いことが特徴の国だ。もちろん、これは“環境”への意識が強いことを表している。ただ、そのオランダでは首相自身も「自転車通勤」であるとは知らなかった。それを知ったのは、いみじくもマルク・ルッテ首相自身が15日「内閣総辞職」を決断したことが報道されたからだ。ほんとうは“総辞職”しなくても、3月17日には“任期切れ”となって、総選挙が行われる予定であった。しかも、情勢分析では“選挙に勝利する”可能性が高いとされていた。それなのに、2ヶ月も早く自ら“総辞職”を決めてしまった。どうして決めてしまったのかというと、自分たちの政権が犯した「過ち」に気付いたからである。税務当局が、貧しい約一万体の世帯に“不当自給”の疑いをかけて、いったん支払った「児童手当」を強制的に返還させたのだ。当然、困窮する家庭が続出し、改めて調査し直して“不当返還”であったことが明るみに出た。この責任を取っての“内閣総辞職”なのだ。詳しい経緯がわからないので、うかつなことは言えないが、ただ首相自身は知らないうちに“行われていた”出来事であった可能性が強い。それでも、世論とは関係なく自ら“総辞職”を決意したらしい。そこで、自転車通勤の首相を報道陣が取り巻くような景観となった。報道写真から見る限り、SPが警護している様子もない。毎日、こうして“自転車通勤”をしていたのだろうか。もちろん、彼が“まだ若い”ということも、これを実行させる一つの理由かもしれない。けれども同時に、これはオランダ国民の「政治に対する考え方」を表す“行為”でもあるような気がする。彼らは、あくまでも“政治家”を“公務員の一種”として捉えているのではないか。もちろん、そのこと自体は日本だって、世界だって変わらないのだが、そうではあっても「政治家」という職種を、一般の公務員と“同列”に捉えている国民は少ない。少なくとも日本人は違う。おそらく、オランダでは“同列”なのだ。だから、仮に首相自身が知らなかったとしても、一万世帯の国民が“不正”を受けたなら、その内閣は責任を取らなければならない。そういう国民であり、そういう首相だったのだ。
オリンピックを「平和の祭典」というふうな表現をしていたのはいつだったろう。いや、今でもだろうか。まさか、もう誰もそんなことは信じない。いろいろな意味で、オリンピックは汚れてしまった 続きを読む
ときどき“ややこしいこと”をする人がいる。そしてそれが妙に注目を集めて、欧米においては“寵児”として人気者になったりするケースも多い。そういう人物の一人が「アヤ・ナカムラ」だ。果た 続きを読む
わたしは動物たちに関して詳しくないのでわからないが、犬は「飼い主」を求める性質を持ち、猫は「飼われた家」を求める性質を持つ、ということは知っている。つまり、どこまでも飼い主を捜し求 続きを読む
国家の“経済運営”に大きな役割を果たすのが中央銀行の「利上げ」と「利下げ」の決断だ。現在、その「利上げ・利下げ」の両方で、日本とアメリカ…それぞれに“決断の時”が訪れようとしている 続きを読む
近年、アスリートたちの“早熟化”が進んでいる。あらゆるスポーツの分野で、幼い頃からの“英才教育”とでもいうか、特別指導が行われていて、それが実を結んで、早くからその能力を存分に発揮 続きを読む
世間の9割方が、今回の米大統領選は「トランプで勝負あった」と見ていたのに、ここにきてバイデン現大統領が「撤退」を表明。現副大統領である「カマラ・ハリス女史を推す‼」と方針転換した、 続きを読む
“時代の変化”はどうしようもなく、やって来る。それは誰しもが経験することで、どの年齢の人たちもが、いずれは感じるようになる。問題は、その変化に“自分を合わせて”生きて行けるかだ。こ 続きを読む
異常気象というのは、時として思いもかけぬ「発見」をもたらす。ブラジル南部を襲ったのは記録的な豪雨だった。それによって多数の地域で洪水とか土砂崩れなどが起こったのだが、それによって視 続きを読む
その名前は確かに父親が日本人であることを物語っていた。ファビオ・トシロウ・キクオ氏(42歳)は、6年間交際した相手であるブルーナ・ビジャリーニさんとの結婚式を無事に終え、翌々日には 続きを読む
第171回目の直木賞が、一穂ミチ氏に決まったという。最初は同人誌でボーイズラブ小説を手掛けていて、それが編集者の眼に止まり、近年、一般小説に転向していった作家らしい。それは良いのだ 続きを読む