いま全米でベストセラーとなっている本がある。どうすれば“幸運を掴めるか”、及び“幸福な人生を歩めるか”、それを科学的な側面からレポートした本だ。この本によれば、人は“やって失敗した”過去よりも、本当はやりたかったのに“やらずに終わった”過去の方を何倍も後悔するというのだ。そして、いろいろ新たなことにチャレンジしている内に、成功への“突破口”を見出していく。したがって“幸運な人生”とは、自分が興味ある“新しいもの”を積極的に受け入れ、神経質にならずあれこれと試して、良い結果につながるものだけを生活に取り入れていく生き方であるという。多くの人は“失敗を恐れる”が、人間は本能的に“失敗した記憶”を削除するように出来ているので、数多くの体験で“成功したこと”や“幸せを感じた”ことのみ“過去の出来事”として記憶にとどめるようになっている。したがって自分が主体的に“やりたい”と思ったことは、出来るだけ“チャレンジしてみる”ことが大切で、そうすれば“成功体験”及び“幸福体験”だけが積み上がり、自分自身を“幸運児”であるかのように錯覚し、それが予想外のパワーや能力を引き出して、実際の“幸運を掴み取る”役割を果たしてくれるのだそうだ。まあ、単純に言えば、だから“意味の無い尻込み”や“迷いからの撤退”や“慎重すぎての拒否”は、結果的に“幸運な人生”を遠ざけるというのだ。さらに能力や素質を引き出す効果として、“おまじない”とか、“お守り”とか、“ジンクス”とかは大いに効果をもたらすことが実験的に証明された。やっぱりというべきか、これらは心理的効果が大きいのだ。或るゲーム的な実験では、大人たちよりも6歳児達の集団がもっとも“幸運な発見”に到達しやすかった。余計なことなど考えず、ひたすら様々なチャレンジをする6歳児は確かに“失敗”を恐れない。それこそが、“成功”への第一歩であることは間違いがない。
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