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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「ノーベル平和賞」って“何”だろう


「世の中」には、“わからないこと”というのがいろいろとある。「ノーベル平和賞」という「賞」もその一つだ。まず、科学的な「賞」と違って、その根拠というのが今一つ解かりにくい。例えば今年度の「ノーベル平和賞」にアメリカのトランプ大統領がノミネートされたというニュース。おそらく、多くの日本人は「なぜ?」と思うに違いない。けれども、この賞には元々「なぜ?」という部分が昔から付き纏っている。例えばミャンマーのアウンサンスーチー氏は「ノーベル平和賞」を過去に授けられている一人だ。ところが、彼女は“似たような賞”で、欧州議会というところが授与している「サハロフ賞」も過去に受賞しているが、この賞による“人権活動の資格”を最近になって剥奪された。既に国家指導者となっているのに、少数派であるイスラム教徒ロヒンギャへの迫害を「黙認している」というのが、その理由だ。つまり、人権を尊重するリーダーと観て授与したのに、実際に権力の座に就くと、過激な迫害も見過ごしているというのだ。実は、この点に関しては、その背景に根深い宗教問題がある。仏教徒の多いミャンマーにとって、イスラム教徒であるロヒンギャの人々は優遇できない事情が潜んでいる。同じことは中東にもあって「イスラエル」という国家を多くのイスラム諸国は認めて来なかった。それが今年9月になってアメリカの努力によってイスラエルのネタニヤフ首相とUAE(アラブ首長国連邦)のアブドラ外相とがホワイトハウスで国交樹立の“歴史的調印”をするのだ。そのために、アメリカの大統領補佐官や国務長官などが何度も中東に足を運んでいる。トランプ大統領自身は直接足を運んでいないが、実質的にそれを指揮したのは大統領であるから、歴史的に観ると“和平に貢献した”意義は大きい。もっとも、トランプ大統領が本当に「和平」とか「平和」を意図してそれに力を注いだのかには大いに疑問がある。実はトランプ大統領が「ノーベル平和賞」にノミネートされるのは今回が初めてではない。2年前にも「南北朝鮮の融和に尽力した」ということでノミネートされている。確かに、そういわれてみれば金正恩氏と抱き合っている。ところが、その後で南北朝鮮は「融和」どころか対立を深めている。それに、この時もトランプ大統領は「和平」のために動いたのではない。もう「平和賞」という賞は、止めてしまった方が良いような…。
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