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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「世界的アスリート」は「神の造形した障害者」


いま想い起せば、そういう報道があったかもしれない……という程度の記憶しかないのが、前JOC会長である山下泰裕氏(過去に柔道でオリンピック“五つの金メダル”獲得)の事故による頸随損傷のニュースだ。たぶん、その当時は、そんなに大きく報道されなかったような気がする。2023年の10月、家族と行った温泉で、突如意識を失って落下し、瀕死の重傷を負ったというニュースだ。それから2年以上が経って病院を退院はしたのだが、もちろん山下氏の頸髄は元のように戻らず、身体が自由に動かず、現在も車椅子生活だ。その山下氏が記者会見を行った。つい先日は自らの職場であった大学へと出向いて、学生たちに向け、車椅子となる前と同じような講義も行ったという。彼は、自分のような名の知られた元アスリートが障害者として表に出ることで、社会や世間の“障害者に対しての理解”が進んで行くことを願っているという。そのための“恥をさらしての会見”だというのだ。確かに、パラリンピックではなく、正真正銘のオリンピックで“五つもの金メダル”を取った人物が、いまは障害者となって、首から下がほぼ動かない状態となって、表に出て活動することで、世間に認識は変わる。生まれつきの障害者ではなくても、世界的に活躍した金メダリストでも、人生の途上で“動けない身体”になることがある。その場合、過去の栄光に縋って、隠れるように生きること……も出来なくはない。実際、そういう人生を歩んだアスリートもいる。その一方で、かつてのアントニオ猪木氏もそうだったが、身体が不自由になって、病気と闘いながら、その自らの“生き様のすべて”を晒していくアスリートもいる。原因不明の病魔に侵されて、身動きが出来なくなっていったアントニオ猪木氏にしてもそうだが、世界一の看板を持ちながら、事故で身動きが出来なくなった山下氏も、その衰えた肉体を晒して生きることは、普通の人達の何倍も辛く苦しいことだろう。それでも、死を免れた自分の役割は何かを考え、完全障害者となった肉体を晒して「社会や世間の障害者への理解が進むこと」だとする考えは、健常者に対しての理解とともに、人生の途中から“障害者になってしまった人々”に対して“仲間としてのエール”を送る姿でもある。人生の途中から“不自由な身体”になってしまった人達が、世の中にはたくさんいる。それでも“前向きに生きていく”ためのヒントを、山下氏や猪木氏は与えようとしているのだ。
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