タレントで弁護士の橋下徹氏が自分の子供達の「K-pop好き」に悩まされている、という話を読んだ。何事にも歯切れが良い橋本氏が、こと自分の子供達が本能的に惹かれている「K-pop」を取り上げるわけにもいかず「好きなのは良いけど、日韓の歴史も勉強してね」というのが精いっぱいだった、という話に何となく和んだ。こと自分の子供の“本能的な好み”だけは、どうすることも出来ない。「韓国旅行もねだられている…」というあたりは、父親としての“優しさ”が滲み出ていて、別に何がどうということもないのだが、この話は良いな、と思った。近年“歴史教育の重要性”が語られるが、幼い子供達は“歴史”などには関係なく、本能的に“好み”で選択する。考えてみれば、日本の文化だって、今やアニメや漫画を通じて世界的に広がっている。そういう漫画で育った若者たちが日本に多数やって来ている。日本人以上に日本のことを知っている若者たちだ。例えば、今年の大ヒット作といえば『鬼滅の刃』だが、私がこの作品の名前を初めて知ったのは、スペインでの《漫画ブーム》の記事を読んだときであり、一年以上も前のことだった。その時、スペインの若者たちの間でもっとも人気があったのが『鬼滅の刃』という作品だったのだ。実はその時、同時にフランスでの人気漫画、日本での人気漫画の作品名も記されていたのだが、どちらにも『鬼滅の刃』はトップに出て来なかった。まだ日本では、それほどの人気はなかったのだ。奇妙なことに、スペインの若者たちだけが強く反応していたのだ。そういうことを考えると、もはや子供達に国境はない。人種とか、民族とか、ましてや歴史とか、そういうことなど関係なく「好きなものは好き」という時代に移りつつあるのかもしれない。そういう点では、幼いころ、眼に触れるもの、耳に入ってくるもの、口にするもの、手指で実感するものは、とても重要だということになる。今は情報化時代になって、世界のあらゆるものが“選択肢”としてはある。無意識に「好き」で選択したものが、その後の長い人生を左右する可能性もある。私だって、家の片隅に放り投げられていた女性雑誌の“占い特集記事”を目にしなければ、こういう人生を歩んでいなかったかもしれない。5歳くらいの頃に出逢った雑誌の“特集記事”が、私の人生を変えたのだ。
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