フィリピンのドゥテルテ大統領というのは、その“見た目”も“行動”も“発言”も、なかなかにユニークである。その彼が先週、来日していた時の発言の中で“大いに問題となる発言”があったとフィリピンのオンラインメディア「ラップラ―」が伝えている。それは最近、彼の政権を脅かす存在になりつつあるアントニオ・トリリャネス上院議員に対して「彼の身体の動きは見るからに同性愛者だ」と揶揄するように断定。続けて「自分はかつて同性愛者だったが、自分で治した」と言ったらしい。う~ん、どちらの発言も問題だけど、どう見てもそんな風には見えないが…。百歩譲って、そうであったとして、どうやって、自分で治すのか。というか、治るものなのか。それに、もし自分自身がかつてそうであったのなら、そういう人達を揶揄できるものだろうか。いろんな意味で、疑問がいっぱいだ。彼は、こうも発言したらしい。「元妻のエリザベス・ジマーマンに出逢うまでは同性愛だった」ということは、この元妻が彼の同性愛を「治した?」ということで「自分で治した」という言葉とは矛盾するような…。ところが、彼は結婚後に治った(?)せいなのか「浮気をした」ということで、夫人の方から離婚されている。離婚後はどうかというと、入籍はしていないが内縁の夫人がいる。もちろん女性で25歳も年下だ。その夫人との間にも子供も居る。「治す」とかいう以前の問題として、彼は本当に“同性愛”だったのだろうか。確かに彼は、大統領になる以前は“同性愛”を認める法律を導入すると発言していた。ところが、大統領になってからはコロリと変わって「今や男にも女にもなれるからジェンダーはない、というのはアチラの文化だ」と、真っ向から否定している。「司教どもはろくでなしだ、連中の大半はゲイだ」と差別発言が目立つ。もう少し、ものの言いようがありそうな気がするが…。まあ客観的に見直すと、若い頃は「いろいろ体験した」というのが本音のような気がする。とにかく、良くも悪くも、政治家らしいといえば政治家らしい。“麻薬撲滅”に対してもそうだが、自分の地位・立場を脅かす者は徹底的に叩きのめし容赦しないという点で、確かに「フィリピンのトランプ」なのだ。
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