考えさせられる映画が4月3日に公開される。ブータンで生まれたパオ・チョニン・ドルジ監督のデビュー作となる「ブータン山の教室」という作品だ。彼はブータンに産まれているが、インドやスイスや中東で育った。したがって、内からも外からも「ブータン」を見れる。そういう稀有な存在だ。一時期ブータンは「幸せの国」として注目を浴びた。けれども、ネットやスマホが普及した現在のブータンは“理想”と“現実”の狭間で苦しんでいる。今回の映画の主人公は、そういう現在のブータンの都会に暮らしていた“若き教師”の物語だ。彼は、将来オーストラリアに移住して音楽の道に進みたい野望を持っていた。そういう彼に「ルナナ赴任」の指令が下った。ブータンの北西部にある“秘境中の秘境”と呼ばれる標高4800メートルに位置する村への赴任だ。人口は56人。最寄りのバス停から山々を歩いて一週間もかかる。文字通りの秘境に“若い教師ウゲン”はしぶしぶやって来た。実際の撮影も、そのルナナで行われた。村人や子供達にも登場してもらい、学校も現地の校舎をそのまま使った。したがって“映画作品”ではあるがドキュメンタリー的な部分もある。ストーリー的には現地の“ヤク飼いの女性”に出逢って、主人公の“何か”が少しずつ変わっていく姿を描いている。ここで興味深いのは、このブータン出身の映画監督が決して「ブータンが良い」とか「都会が悪い」とか言っていないことだ。彼は世界各地で成長期を過ごし、台湾人の奥さんを貰い、日本の谷崎潤一郎の小説「陰翳礼讃」から多大な影響を受けた。さまざまな「眼」を持って故郷・ブータンを見つめている。澄み切った青い空は、それだけで何かを語りかけるし、子供たちの眼は無心に輝いている。ドルジ監督が「どこに居ても、幸せは見つけられます」という時、その言葉には説得力がある。われわれは往々にして勘違いしがちなのだ。幸せは“それ”を手に入れた時に得られると…けれども「(かつての)幸せの国」ブータンの映画監督は「幸福とは終点ではなく、旅の途中」だと言いきっている。
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