人は思いつめると「もう、これしかない」という結論に陥りがちなものである。さまざまな事件とか、犯行とかは、そういう時に起こる。世の中には、最初から“犯罪者的素質”を持って生まれている人もいることはいるが、比率的にはきわめて少ない。多くの場合には、日頃は“善良な市民”なのだ。何かのはずみで人生が狂い、冷静な判断が出来なくなって、やがて取り返しのつかない事件や犯行を引き起こす。おそらく、彼の場合も“そのパターン”が当てはまることだろう。昨日、千代田区の家庭裁判所で、自分の妻を刺して“殺人未遂”の現行犯で捕まったスティーブ・ウィルソン(米国籍・32歳)のことだ。彼は妻との間で“離婚調停中”だった。現在、別居中の妻は別れたがっていた。彼自身の方は「どうしても別れるというなら死を択ぶ」と宣言していた。その「死」とは、妻を殺して自分も死ぬということだった。そのためには手段を択ばない。このようなことを言い出したのは昨年の夏頃からだった。だから、妻は怖くなって、警察に相談もし、子供を連れて、身を潜めた。埼玉の実家、もしくは実家近くに逃れたのだ。元々スティーブは繊細なタイプだった。だからアメリカよりも日本の方が生活しやすいだろうと思っていた。けれども実際には、繊細な人はどこでも繊細なので、日本での生活が必ずしも快適なものになるとは限らない。最初のうち、妻であるウィルソン香子氏は日本の生活に馴染もうとする彼のために心を砕いた。けれども、子供が生まれて後、夫への気遣いは少し薄れてしまった。やがて夫は精神を病み、通院するようになった。夫が精神的に不安定となって、香子氏が一番に考えたのは、子供に危害が及んではいけないということだった。それには、正式に離婚するしかない。夫の前から姿を隠し、正式離婚へと持っていくことが正しい選択だと思った。弁護士までつけて調停へと臨んだ。昨日は、その最終確認で、家庭裁判所へと向かった。夫の方も弁護士を付けていた。主に、その人との話し合いになるはずだった。裁判所の玄関を入り、金属探知機のゲートの前で立ち止まる。その時、真横から飛び出してきた人物に気付いた。別居中の夫だった。目と目が合った瞬間、咽元に凶器が刺さった。血があふれ、意識が遠のいていった。夫は、3本のナイフとガソリンの入ったペットボトルを隠していた。殺したなら自分も死ぬ。最初から、その予定だったのだ。彼は「もう、これしかない」と自暴自棄になっていた。もし、彼がアメリカに戻って、もう一度「新たな人生」を歩み出せば、新たな妻に出遭うチャンスがあったことを、彼は知らなかった。
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