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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「正義」が“消し飛んでいく”金正恩氏の成功⁉


日本人の多くは、欧米の先進諸国的なというべきか、或いはキリスト教的なというべきか「正義」や「幸福」の“ありかた”が唯一無二であると信じ切っている。けれども、長い人類の歴史というか「人間の歴史」を観てみると、必ずしも、そればかりが正しいとも言えないことに気が付く。北朝鮮では今年、金正恩総書記がトップについて十年目にあたるらしい。それを記念し、国民生活向上の証としての住宅建設に力を入れていて、平壌に出来た最新のマンション竣工式に出席した様子が「朝鮮中央テレビ」で報道されていた。特に興味深いのは、その金正恩氏の動静を伝えてきた女性アナウンサー李春姫(り・チュニ)氏の功績に対し、総書記が立派な住宅をプレゼントしたことだ。その新しいマンション内に、ふたりが連れ立って案内される様子が、そのまま放映されている。最新住宅の竣工式に参列した金正恩氏は終始笑顔で、まるで我が家が出来たかのように楽しそうだった。最近の平壌を観ると新しい高層マンションだらけで、これが先進諸国から長年にわたり経済制裁を受けてきた国だろうか、と考えてしまう。今や完全に核兵器開発を再開していて、アメリカ本土さえも射程内にある。欧米の先進諸国は、日本も含めて或る程度共通した“価値観”を持っている。その根底にあるのは“自由”と“平等”と“民主主義”に基づく「キリスト教的な国家観」なのだ。ところが、その国家観は“仲間内”では通用するのだが、そうでないところでは、もろくも崩れてしまう。一見、世界から孤立したように観えた北朝鮮だが、どっこい今やアメリカとも“対等”な力を身に着け始めている。もちろん、その一方では国民の中での貧富の差が拡大し、都市と地方における地域格差も拡大している。だが果たして、それは「北朝鮮」だけの問題だろうか。わが「日本」だって、いつの間にか“さまざまな格差”は広がる一方で、決して平等などではありえない。結局、方法論的には異なってっも、辿り着くところは、そんなに大きく違ってはいないような気がするのだ。かつては“先進国の一員”として、それなりの誇りを持ち、世界的にも優遇されてきた「日本」だが、20年後にその保証はない。もしかしたら「北朝鮮」の方が日本をリードしている、などという“笑えない現実”が待っているかもしれないのだ。
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