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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「田んぼ」は「銀座」となり、また「田んぼ」に還る⁉


三重県津市に通称「レオパレス銀座」と呼ばれる地域がある。不動産会社レオパレス21が建築した“同じような形状のアパート”が乱立している。およそ1キロ四方の区域内に40棟ものレオパレス物件が並んでいる。けれども、それらは秩序正しく“整然”と並んでいるというのでもない。同じような物件なのだがバラバラに並んでいる。それもそのはず、これらのアパートは個々異なったオーナーの持ち物なのだ。レオパレスが施工管理しているが、個々のオーナーは元々「田んぼ」や「空地」の地元所有者たちである。つまり、そこに目を付けた不動産営業マンたちが声をかけ、オーナーたちの資金で“レオパレスのアパート”を建てさせ、自分たちが営業・管理するという方式だ。けれども、問題は田舎町である。交通の便も悪い。しかも、どう考えても田んぼの中の40棟は乱立し過ぎである。通称「レオパレス銀座」とは呼ばれるが、銀座の華やかさなどみじんもない。どうして田舎の土地所有者たちは、営業マンの言うなり「レオパレス」のアパートを建てようとしたのだろう。それには“秘密”がある。「30年保証」という“殺し文句”があるのだ。つまり、そのアパートに入居者が入っても入らなくても、最長30年間は或る一定の“家賃収入”は保証しますよ、という謳い文句があるのだ。これに田舎の土地所有者たちは見事に引っ掛かる。その契約書には最後の方に“契約見直し”の項目も付け加えられているのだが、土地所有者たちはきちんと読まない。自分の土地を寝かせておくより、毎月、決まった収入が得られる方が良いと考えるのだ。しかも面倒な施工・営業・管理などはレオパレスに任せておけば良い。これほど魅力的な“誘い”が他にあるだろうか。やがて10年もしないうちに、ほとんどの場合は“契約見直し”が通達される。それだけでもショックなのだが、昨年からはレオパレスの物件の多くが「建築基準法」に違反していたことが指摘され始めた。外壁が耐火基準を満たしていない、塁壁が遮音性を満たしていない、天井が耐火基準を満たしていない、要するに“欠陥アパート”だらけだったのだ。そこで、それらに居住する人達には、早急に引っ越ししてもらい、建築基準を満たす物件へと改修しなければならない。今のところ1324棟が施工不良物件だが、今後増えていく可能性もある。こうして「レオパレス」の信用は地に落ちた。当然、寝耳に水のオーナー達は「詐欺にあったようなもの」だというが、元々田んぼの中の40棟は、おかしいのである。やがてオーナー達は土地もアパートも失って、銀行には不良債権だけが残るのかもしれない。

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