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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


「近隣住民」は、そんなに「王様」だろうか⁉


東京都の国立市で積水ハウスが建築中だった分譲マンションが、既に九割方完成していたのに、今月4日に建設中止になり、解体することが決った。建設中に何か不備が見つかったとかいう話ではない。近隣住民たちの「景観を損ねる」という意見が通っての建設中止なのだ。これが国立市の“条例違反”とか“規制違反”とか言うなら話は解かるが、そうではなくて、あくまでも「景観への影響を配慮しなかった」という理由からの中止・解体なのだ。もし、これがまだ半分程度の完成度なら、それも仕方がないなと思うが、既に9割以上完成していて、外観的には“ほぼ完成”の状態にある。外見を観る限り、なかなかシャレた感じの小ぶりなマンションだ。地上10階建ては、決して高層マンションの部類ではない。しかも総8戸入りということで、横幅だって広くはない。つまり、縦にしろ、横にしろ、そんなに景観を邪魔するようなマンションではない。もっとも「富士見通り」と呼ばれる“その通り”の入り口辺りから、これまで見通せていた富士山が、半分視えなくなるのは事実だ。ただ、そういうことって都会のマンション建設ではよくあることで、市の規制違反をしていたならともかく、あくまでも「近隣住民への配慮」が問題だったというのだ。たとえば、これが東京都内で「東京タワーが視えなくなる」とか「スカイツリーが視えなくなる」とか言うような場合、九割方完成している分譲マンションを取り壊したりするだろうか。時代は「景観を変える」というのは歴史が証明している。占いの「風水」では“自然との調和”を何よりも重視するが、そうかといって“時代を無視しての調和”ではなく、あくまでも“時代環境を意識しての調和”ということが重要とされる。大都会ではビルの乱立は当然のことなので、そういう中に在っての高層マンションは、むしろその地域における時代との調和を保っている。逆に田舎では一つだけポツンと高層マンションが建ったなら、それは調和的ではない。今回のマンションの場合、東京都ではあっても大都会とは言えない国立市、だからといって田舎でもない国立市、そこに10階建ての小ぶりなマンションを建てることが「調和」なのか「不調和」なのか判然とはしないが、とにかく九割方完成してから解体するのは、出産直前で新生児を遺棄してしまうような残酷さを私に感じさせる。
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