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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


なんと素晴らしい「晩節を汚す」生き方への憧れ


「晩節を汚す」という言葉がある……人生の終わりころになって、それまで得てきた名誉とか地位とかを一気に失ってしまうような出来事が表面化する諺だが、わたしは自分自身の中に、どこかで“そういう人生”に対しての奇妙な“憧れ”がある。多くの人は、晩年を「汚したくない」と思うのかもしれないが、わたしは密かに「そういうふうになれたらいい」と思ってしまう。もっとも、わたしの場合、これまでの人生自体が、そんなに特別な名誉にも地位にも縁がなかったから「最初から汚れている」と言えないこともない。かつて日本のプロ野球で、通算350勝という歴代2位の記録を持っている人物が、昨日、兵庫のスーパーで缶酎ハイを2缶、洋服に隠し入れたところを店員に発見され、窃盗の容疑で逮捕された。通算350勝という記録の割に「米田哲也」という名前は、それほど一般には浸透していない。つまり、偉大な記録の割には地味なまま87歳まで経過した人物だが、当然、名球会からの収入が今も与えられているはずで、金銭的に困るとは、通常は考えられない。なにがあったのか。万引きしたことは本人も認めているので、間違いはない。ネット上では「認知症だったのではないか」とも書かれているが、状況から見て、わたしは違うような気がする。考えられるのは二つの理由で、その一つは純粋に“経済的な理由”であり、もう一つは“刺激的スリル”を求めてのものである。収入そのものはあっても、さまざまな理由から実質的には「苦しい」生活を送っている人は少なくない。彼は元々現役当時から“酒豪”として知られていたらしい。酒豪の人には、ときどき“それゆえの失敗”をする人もいる。若い時には目立たなかった欠点が、晩年になって目立ってくる…ことはよくある。もう一つの方の“刺激的スリル”を求めてしまうのは、過去に力を発揮していて、それが現在は失われてしまったとき、しばしば見受けられる現象で、彼の場合、もしかすると“そっち”の可能性もある。どちらにしても、わたし個人は、かつての栄光を背負った人物が、ボロボロになっていくのは人間らしくて、どこか“哀愁の漂うドラマ”のような部分があって、気に入っている。最初から最後まで“輝かしいだけの人間”に、わたしは興味がない。確かに“輝かしさ”は、あった方がいい。けれども同時に“愛おしいまでの哀しさ”もあった方がいい。その方が、人間らしくて、わたしは好きなのだ。
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