私は何となく、この人に“日本一の富豪”と同じ“匂い”を感じるのだ。この人とは「星野リゾート」を各地で展開している星野佳路代表のことだ。もちろん、現在の“日本一富豪”は「ユニクロ」を展開している柳井正氏だ。「ユニクロ」がいつの間にか“世界のユニクロ”になったように、おそらく「星野リゾート」も二十年先には“世界の星野リゾート”になっているのに違いない。その第一歩ともいうべきものがハワイで、来年1月15日から始まる。ホノルル市街に建つ「ザサーフジャックホテル&スイミングクラブ」を全面改装した「星野リゾート サーフジャックハワイ」の開業だ。このホテルこそ、星野リゾートが“北米進出”するための足掛かりとして最重要視しているホテルなのだ。もちろん、北米だけではない。最終的には「ユニクロ」と同じように全世界に進出していく。実は既にタヒチ、バリ、台湾には「星野リゾート」が進出している。だから初めて海外進出するわけではない。けれども、今回のホテルはそれらと違って明確に“北米”を見据えた戦略がある。ここが成功すれば躊躇せず北米に進出できるし、もし失敗に終われば、戦略を見直さなければならない。その後には中国とヨーロッパが控えている。ハワイへの観光客は世界中から集まって来るが、もっとも多いのはアメリカ本土からの観光客だ。したがって、ここで成功できれば、北米でも成功できるのだ。もちろん、日本からの観光客も抑えたいが、それをメインとはしていない。そうしてしまうと、北米に進出するための“足掛かりホテル”とはなれないからだ。実はハワイを狙っているのは、星野リゾートだけではない。京屋グループは「シェラトン・プリンセス・カイクラニ」を再開発しているし、三井不動産は「ハレプナワイキキバイハレクラニ」を改装中である。ただ、それらのところは“日本人客”がメインなのだ。もちろん日本人をメインに据えた方が営業面だけで言えば簡単かもしれない。けれども、それでは「ユニクロ」にはなれない。“世界の星野リゾート”に育てていくためには、日本からの観光客をメインに据えてはならないのだ。もっとも「ユニクロ」が“世界のユニクロ”になったからと言って、それが“日本のファッション”とか“日本の代表的アパレル”と思われるのは、未だに納得できない。こういう言い方は柳井氏に失礼なのだが“ファッションセンス”として、本当は日本を代表してほしくない。それと同じような感慨を、もしかしたらわれわれは“世界の星野リゾート”に抱くかもしれない。それを防ぎたいなら、早急に星野リゾートに立ちはだかる“ホテルブランド”が世界戦略を練らねばならないのだ。
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