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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


オランダは「手を繋いだまま安楽死」の時代⁉


今年2月5日オランダの元首相夫妻が93歳で亡くなった。夫が元首相を務めていた間、妻は献身的にサポートしていた。近年、夫婦とも病気になっていて、お互いが介護がなければ生きて行けない状態となり、共に安楽死を望んだということで、同じ日に“安楽死の処置”がとられた。その結果、93歳で70年間、一緒に暮らしていた夫妻は手を取り合って“天国”へと旅立った。もちろん、これは「安楽死」が“合法”とされているオランダだから出来たことで、日本では認められない。もちろん、それを行うようなことがあれば医師が罰せられる。実はオランダにおいては、既に安楽死は一般化していて、2021年は16人が、2022年には29人が自ら安楽死を選択している。もっとも、望めば誰でも安楽死できるかと言えばそうではない。さまざまな条件をクリアしている場合に限るのだ。今回のオランダ元首相夫妻のように、お互いが重い病気で、介護できる状態ではなく、年齢的にも互いに93歳、70年間の夫婦生活ということで、なんとなく「神様も許してくれそうな条件」を備えている。昔、古代の王たちの中には「不死の薬」を求め続けた人物もいる。けれども時代が変わって、今ではそういう薬を求めなくても“100歳以上の長寿者”をちらほらと見掛けるようになった。医学の進歩が多数の長寿者をもたらしたのだ。ただ「長く生きること」が必ずしもそのまま幸福なことであるとは言われない。健康であること、経済的にも不自由がないこと、仕事や趣味など、生きがいを持っていること、家族に恵まれていること……などの条件が整っていれば長寿は幸福だが、そうでない場合、生きていること自体が苦痛になることもある。そういう時に医学の力を借りて“安楽死を択ぶ”ことは、必ずしも不適切とは思わない。宗教観とか、倫理感とか、周りへの迷惑があるから、通常は「死」を選択しないが、それを求めたくなる気持ちがわかるケースも多い。特に近年の日本では、病気の進行を喰い止めることは出来ても完治は難しい場合が多い。もちろん、さまざまな問題があるから「オランダに続け」とは言えないかもしれないが、少なくとも“その検討をする”時期には入っているような気がする。
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