“本が売れない”と言われているこの時代、一週間で6万部も売り切った小説がある。それも何の賞も受賞していない新人作家の私小説だ。主婦作家であり、無名作家と言って良い。宣伝となる新聞広告などは、これから行われるらしいが、これまでは何もしていない。それなのに何故か評判となり、そのタイトルは一気に知れ渡った。確かに興味深いタイトルだ。そして何となく中身が気になるタイトルだ。よくよく見ないと、タイトルが見当たらない。目の悪い人には、ちょっと不親切な“表紙”だともいえる。加えて著者名も、よくわからない。表紙の装丁も、イラストも、判然とせず、すべてが中途半端な“実験本”のようですらある。昔、江戸川乱歩の小説に『屋根裏の散歩者』というのがあった。押入れの天井板が偶然持ち上がることを知り、そこから屋根裏に這い上がって動き回り、アパート住人たちの私生活を、天井板の節穴から“覗き見る”生活が始まる小説だ。真下住人の私生活を“覗き見る”というのは、実際には不可能な行為だが、われわれの誰もが持っている“好奇心”や“妄想”を掻き立てるのに十分な設定ではある。それに近いタイトルが『夫のちんぽが入らない』のようだ。なかなかストレートなタイトルだ。書き手は、特別“私小説”を意識して書いたわけでもなく、官能小説を意識して書いたわけでもなく、或る種、自分の“生きて来た様”をそのまま率直に、何の飾りもつけず正直に書いた結果として、こういうタイトルに至ったのだと思う。だから、意図的な“狙い”のようなものは、実際に作品を読んでみると全く感じない。ただ奇妙なリアリティがあって、乾いた哀しさのようなものが、ぐいぐい読者の胸に入り込んでくる。さらに、もう一つ“学級崩壊”のテーマが潜んでいて、その部分もまた“入らない”ことと同じくらい“切なく”哀しい。悩める性生活、悩める親子問題に突き当たっている全女性に読んでほしい作品だ。
或るインタビュー記事を読んだ。精子提供を受けて生まれ、それを知らずに29歳まで過ごし、偶然知ることになって、その後は「なぜ知らせてくれなかったか」「提供者を捜し出したい」という気持 続きを読む
ホテル事業で赤字を膨らませていた企業が、いつの間にか“大きく変身”して、いまや「日本のストラテジー社」と呼ばれている企業がある。東証スタンダードに上場している「メタプラネット」とい 続きを読む
学歴詐称問題で“すったもんだ”したあげく、伊東市の田久保真紀市長は「続投」することを表明した。今年はどうも“そういう年”らしく、兵庫県の斎藤知事も最終的に「続投」となった。マスコミ 続きを読む
架空取引による「裏金捻出事件」で川崎重工は神戸造船工場の幹部ら関係者51人を懲戒処分にした。その“裏金”を飲食費やゲーム機提供に宛てていた海上自衛隊のトップを含む関係者93人に対し 続きを読む
TV画面に「逃げて‼」という文字が大きく出ている。いつまでも出ている。だが、実際には“3m”と予測されていた地域でさえ“1m”にも達していない。だが画面には、いつまでも「逃げて‼」 続きを読む
選挙によって野党がちょっとだけ多くなり、その結果として「現金給付」より「減税」に傾く可能性が、ちょっとだけ強くなった。最近は日本だけではなく世界的に“極右政党”が大躍進の時代となっ 続きを読む
「石の上にも3年」という言葉があるが、山形大学が「ナスカの地上絵」の研究を始めて早や20年が経過している。石の上にも20年だ。その結果、今回も「248点の新しい地上絵」を発見したそ 続きを読む
確か2年ほど前まで「生涯収支マイナス2億円君」だったような記憶がある「霜降り明星」粗品氏が、現在は「生涯収支マイナス4億円君」に変っていて、相変わらず毎週土曜日に彼自身の“競馬予想 続きを読む
われわれはどうしても「喉元過ぎれば熱さ忘れる」で、苦悩しているときには「これさえ上手くいけば幸せになれるのに…」などと思いがちなものだが、いざ、それが過ぎ去ってしまうと、もう“その 続きを読む
もはや石破首相の退陣は“決定的”と言われる。それでは次に“日本の首相”となるのは誰なのか。運命学的な観点から観て見よう。国民へのアンケート調査によると、次期首相として「もっとも相応 続きを読む