全体的特徴
ホロスコープ全体ではアセンダント(上昇点・ASC)付近と、DES(下降点)付近に惑星が集中していて、向かい合う180度や150度のアスペクトが多いホロスコープになっています。このようなホロスコープでは、公私とも「パートナー」の存在や、「ライバル」の存在が重要なもので、時には「訴訟問題」が重要なテーマになることもあります。彼女の場合、仕事上では移籍し、独立し、再移籍するなど、仕事上でのパートナーが何度か変わってきているのが実情のようです。また、プライベートでは3度の結婚でパートナーを変えて来ているし、結婚には至らなかったものの、公然の「恋人」としてパートナー関係であった男性も何人か知られています。さらに一時期、セクハラなどの「訴訟問題」も抱えていたようで、まさにホロスコープの暗示通りの人生を歩んで来ているとも言えそうです。
彼女の太陽は「第7ハウス」に在り、文字通りパートナー択びが重要であること、著名人や社会的地位ある人をパートナーとして択ぼうとすること、或いは結婚によって自らの社会的地位を高めようとすること、を暗示しています。太陽が第7ハウスに輝く彼女にとって、結婚は自らが「光り輝くため」の手段としても重要なアイテムなのです。太陽に象徴される自らの「個性」が“パートナー択び”の中で発揮されるので、他の人達と同じような“凡庸な結婚”にはしたくないのです。
彼女の月は「海外の部屋=第9ハウス」に在り、その活動地域は遠方に求めることが多くなります。私の実占経験によると、海外に一時期でも居住経験を持つ人の多くが、第9ハウス内に月が位置していることが多いのです。彼女の場合も、アメリカに本拠地を移し、全米進出を何度か試み「世界の歌姫」になることを最終的に夢見ていたようです。また、第9ハウスの月は精神生活や価値観を重視する形で、メンタルな充実度がそのまま仕事に反映されやすい傾向が窺われます。同時に彼女の月は、海王星と180度で向かい合っていて、或る種センチメンタルな感受性が人一倍強く、理想的な夢見る世界を追い求め続けます。その一方、母娘の関係は極めて重要で、今後、年齢が進むに従って運命を左右するような関係や世界を徐々に構築していくようになるでしょう。
アセンダント(上昇点・ASC)にもっとも近いのは天王星であり、独自の生き方、ユニークな生活の実践者として、あまり周りに左右されることなく生きていくことが可能なタイプです。さらに歳を取っても若々しい感性を失わず、好奇心一杯のまま人生を全うすることが出来るタイプです。
アスペクト
出生時のアスペクトで注目されるのは、火星と木星の0度、その火星・木星と180度の天王星、月と海王星の180度、金星と海王星の135度、金星と天王星の150度、水星と木星の0度、水星と天王星の180度、土星と冥王星の150度などです。
ホロスコープで180度アスペクトが多い人は、相反する位置に惑星が来て向かい合うことで、どうしても「対立」「矛盾」「離別」等が多い人生となります。火星・木星と天王星の180度アスペクトは、その行動とSEXに或る種の衝動性、エキセントリックな部分が出やすいことを物語り、時として放送関係、航空機関係のトラブルにも巻き込まれやすい傾向が暗示されています。月と海王星が180度アスペクトの所有者は例外なく情感が豊かで、芸術関連・或いは心霊関連の仕事分野では才能を発揮します。その時々のムードや雰囲気に酔い痴れやすい傾向が見受けられます。水星と天王星の180度は、新たな分野を切り開いていく先覚者に多く、作詞・作曲などの創作分野に大変向いています。
火星と木星の0度は、目標が定まると情熱を燃やし、活動的でエネルギッシュになっていくこと―を物語っています。財運が強く、金銭の出し入れが大きな人に多いものです。天王星ともアスペクトを持っているので衝動買いや、投機的金銭の使い方をしやすいものです。水星と木星の0度アスペクトは、知識欲の旺盛なこと、特に語学と歴史に強いこと―を示唆するものです。
金星と海王星の135度は、ロマンスを追い求める気持ちが強く、踊りも加えた舞台女優としての素質も感じさせる星の配置です。ただ、もう一つ金星は天王星との150度アスペクトも所有していて、こちらはTVやインターネットを通じて活躍しやすい素質を表します。但し、私生活では突然の恋と、突然の別れとを経験しやすいのが特徴です。愛の星・金星が、海王星とも天王星ともアスペクトを有する人は、ドラマチックで波乱にとんだ恋愛・結婚となりやすいのです。金星は主要な惑星で、仕事運と関係が深いMCとアスペクトしている唯一の惑星で、彼女にとって芸術・芸能は「天職」ということになります。
注目すべきトランジット度数
彼女が「ミス・セブンティーンコンテスト」九州地区大会で優勝した時、トランジットの天王星は「さそり座」13度に在って、出生時の海王星と0度でピタリと重なっていました。海王星の意味する「夢」「理想」「芸能」の世界が思いがけない形で一気に現実のものとなったのです。トランジットの海王星は「いて座」17度に在って、出生時のドラゴンヘッドに120度。正に、運命を左右する人物との出逢いが生れ、人生が大きく動き出していたのです。翌年、プロダクションとの間で正式契約が交わされ、トランジットの天王星は出生時の太陽と120度アスペクトです。これは、独立独歩の生活が始まること、個性や才能が注目を浴びて輝き始める時期を表すものです。
1980年は正式な歌手デビューを果たし、「レッツゴーヤング」のレギュラー、ラジオでのDJレギュラー、正式ファンクラブの発足、TVでのチョコレートCMの開始、「素足の季節」「青い珊瑚礁」「風は秋色」の連続ヒット、TBS「ザ・ベストテン」での1位獲得…と、アイドルとしての超多忙な日々が始まってゆきます。トランジットの冥王星は出生時の太陽に150アスペクト、トランジットの海王星は出生時の水星に60度、トランジットの天王星は出生時の水星に90度、トランジットの土星は出生時の水星に150度です。また、トランジットの木星は第1ハウス内を長期間滞在し続けます。
1983年3月に、ファンの少年によってコンサート中に工事用パイプで頭部を数回殴られるという「投打事件」が発生します。この年、トランジットの冥王星は出生時の天王星と60度、火星と120度アスペクトです。また、トランジットの海王星は天王星と120度、火星と60度アスペクトです。さらにトランジットの天王星は出生時の冥王星に90度アスペクトです。
歌手・郷ひろみとの恋愛が破局し、すぐに俳優・神田正輝と婚約・結婚をした年は、トランジットの冥王星はアセンダント(ASC)と60度、結婚に関係の深いDSCと120度アスペクトです。また、トランジットの海王星はアセンダント(ASC)と120度、DESとは60度アスペクトです。さらにトランジットの天王星は「いて座」16度で出生時のドラゴンヘッドに120度アスペクトです。
本格的なアーティストとして作詞・作曲を始めた年は、トランジットの海王星が出生時のアセンダント(ASC)に対して135度、太陽に対して60度、トランジットの天王星も出生時のアセンダント(ASC)に135度、太陽に対して60度です。この年、トランジットの木星は再び第1ハウスを通過していくのですが、その後の先駆けとなるクリスマス「ディナーショー」を初めて開催し、年末には日本レコード大賞・最優秀歌唱賞を受賞しています。
最初の離婚を経験し、さらに父親も亡くした1997年は、トランジットの海王星が出生時の天王星に150度、火星に30度、金星に60度アスペクトです。トランジットの天王星は出生時の冥王星に150度、土星に0度アスペクトです。二度目の結婚となった年には、トランジットの海王星が出生時で「家庭・住居」を表すIC(下降点)に60度、トランジットの天王星が出生時の月と海王星に90度アスペクトです。
「ユニバーサルミュージック」に再移籍し、コンサートツアーで14万人を動員することに成功した年はトランジットの冥王星が出生時のアセンダント(ASC)に120度、トランジットの海王星が出生時の木星に0度で重なり、トランジットの天王星は出生時の天王星に150度アスペクトです。大学の準教授との3度目の結婚を果たした2012年はトランジットの冥王星が出生時の冥王星と120度、トランジットの海王星が出生時で「結婚」に関係が深いDES(下降点)と0度で重なっています。トランジットの冥王星や海王星が人生に深く関わっているホロスコープだけに、トランジットの海王星が出生時の冥王星と180度で向かい合う2015までは特別な出来事は生じないかもしれません。