最近、天文ファンの間では「木星と土星の会合」というのが話題を集めているらしい。天文学的には“稀な現象”などと言っているが、実際には時々起こる。大体20年ごとに起こるもので、そんなに珍しい現象ではないのだが、今回のように“長期間”接近し続けるのは確かに珍しい。今年の場合には12月16日から24日くらいまで接近し続けているはずで、その中でも特に21日から22日にかけてが“最接近”に視えるらしい。私の場合には、占星学のホロスコープを作る時に、いやでも“惑星同士の一体化”を「天文暦」上で眼にしているので、特別、珍しいことのようには思えない。個々のホロスコープにおいて、つまり出生年月日時において、地球上から視て惑星同士が接近し“一体化する”ことは決して稀ではない。『聖書』外伝にも、イエスキリストが生れた時、土星と木星と金星の“三つの星”が一体化していたとある。本当かどうかは微妙だが、仮に、この三つの惑星が一体化していた時に産まれたなら、信仰心やボランティア精神の強い人物が誕生したであろうことは間違いがない。この「木星と土星の会合」は、大昔から知られていた。実は古代ギリシャやローマの占星術師が遺した記録には、木星と土星の会合年時と、それに伴う出来事や事件が記された書物があって、少なくとも16世紀のノストラダムスが生きていた時代にはそれを読むことが出来たらしい。占星家でもあったノストラダムス自身が、その時の記録を参考にして「予言法」の一つを確立したと述べている。われわれはノストラダムスというと、有名な「1999年7の月…」で始まる“予言詩の人”という印象を抱きがちだが、それは日本で“作られたイメージ”であって、実際のノストラダムスは「実証的な研究者」であった。書籍にしても、予言書だけでなく、例えば「香水の本」なども書いていて、なかなかに博識だったのだ。彼は、古代の記録を読むうちに、同じような出来事が“同じような惑星配列”の時に起きるのではないか、と考えた。そうして、彼の時代の惑星配列の中で、古代ギリシャやローマの時代と重なるものを探し出し、似たような現象を具体的に予言していった。彼の場合、その根拠となったのは、もう一つの古代ギリシャの判断方法である「神託法」を使った。これは古代ギリシャ神殿の巫女が行っていた予言法である。それらを組み合わせて記していったのが予言詩の『百詩編』なのだ。
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