女性MNさんの出生ホロスコープでは、金星は「おとめ座」4度にあって、火星と120度、ASC(アセンダント・上昇点)と120度、太陽と30度、天王星と30度、土星と120度、月と135度と多数のアスペクトを持って生れていて、恋愛・結婚等の愛情関係が、彼女の人生上、大きなウエイトを投げかけていることを暗示しています。一方、男性NSさんの方の金星は「やぎ座」6度にあって、自らの惑星達とは、アスペクトが乏しいのですが、ドラゴンヘッドと150度となっていて、秘教占星学で前世的な縁が作用するといわれる恋愛に関わりやすいタイプです。その彼のドラゴンヘッドは、彼女の金星に対して90度、太陽・天王星に対して120度、月に対して45度、ASC(アセンダント・上昇点)に対して150度、土星に対して30度と、深く絡みついています。したがって、いったん付き合いが始まった場合、そう簡単に離れられる二人ではありません。
しかも、二人の付き合いが始まった平成10年9月5日は、トランジット(通過中)の土星が「おうし座」3度にあって、女性MNさんの金星に120度、太陽・天王星に150度、火星・ASC(アセンダント・上昇点)に120度、ドラゴンヘッドに45度、出生時の土星に0度なのです。このとき、男性NSさんの出生時惑星には、天王星・冥王星に対して135度、土星に対しては72度アスペクトです。このような点から考えると、この恋愛は、女性MNさんに対して、より大きな影響力を投げかけているだけでなく、土星の影響下に始まっているだけに、重く、深く、陰鬱な作用を長期的に及ぼさずにはおかないのです。
実際にはどうかというと、同じ職場における上司と部下との関係の中で、男女関係が生れ、彼の結婚後も関係が続いていたのです。ところが、今年になって、二人の関係が奥さんに知れるところとなって、結果的に、彼女の方は、そのことばかりではなく、職場を離れることとなったのです。通常なら、ここで二人の関係も終わるはずなのですが、そうなっていないのは、土星と、ドラゴンヘッドの結びつきがあるからと思われます。そのトランジットの土星は、彼女が退社したとき「かに座」7度にあって、彼女の出生時の土星に60度、彼の出生時の土星に120度です。そして、彼女の出生時のハウス位置上では、今年は俗に「結婚のハウス」と呼ばれる第7ハウスに入室し、2006年の夏くらいまで脱出できません。このような土星の移動から考えると、彼女の中では「パートナーを失う苦しみ」を味わう時期に至っていた、といえるかもしれません。さらに、この位置の土星は、彼の方の出生時の金星に対しても180度アスペクトを投げかけていたのです。したがって、彼にとっても、恋愛をストップさせられる時期にあったといえるでしょう。尚、彼の場合、出生時の月に対して、昨年から土星は0度アスペクトの位置関係にあったので、家庭的問題は昨年から既に出ていたよう推測されます。
又、今年は、トランジットの天王星が彼女の出生時の金星と180度アスペクトに位置しています。さらに、彼の出生時の金星に対しても、60度アスペクトです。このように、彼の側にとっても、今年は、トランジットの土星、天王星、その両方が180度、60度と特別な配置となっていて、二人共に、別れを促される状況が、星の配置からは訪れていたといえるのです。したがって、もし、二人が永遠の別れに向かうとすれば、今年しかないのです。今年を経過しても尚、二人の間に付き合いが続いていたとすれば、それはもう宿命的な結びつきとなって、憂鬱な翳りを宿しながら、いつまでも腐れ縁のように続いていくのに違いありません。