「時代」というものは、時に“後戻り”をする。奇妙だが、歴史を振り返れば、決して珍しいことではない。もしかすると現在「有料」となっている“レジ袋”も、再び「無料」に戻る可能性が出て来た。元々、レジ袋の有料化は“環境対策”の一環として、小泉環境相が推進して具体化させたものだが、必ずしも“それ”が効果的だったとは言い難い現象がいろいろ起きている。何よりも問題なのは“万引き”が急増していることだ。確かに「マイバッグ」の使用は、それが“清算後”なのか、“清算前”なのか、微妙で判りにくい。店員がレジ袋に入れて手渡す行為は、それが“清算済み商品”であることの証となる。それにマスコミは「誰もがマイバッグを使用するようになる」と喧伝していたが、実際にはそうなったようには思えない。最初だけ、さまざまな“マイバッグ”が紹介されたりもしたが、実用に適さないものが多かったのか、いつの間にか見掛けることが少なくなった。大体が“環境関連”の取り組みというのは、上手くいっているものが少ない。環境そのものには良くても採算ベースで“高くつく”ものが多い。経済的な不利益を被っても、環境を整えなければならない…という発想は何かが違うような気がする。もちろん、地球環境を考えることは必要だし、さまざまな面で“未来への工夫”は必要なのだが、あまりにも“そこ”だけにこだわり過ぎると、われわれの生活自体に支障が生じる。さらに、そういうことを“声高に推し進める”人の中には、自らの事業や商売への利用をもくろむ人たちも多い。したがって、ほんとうに“地球環境”や“未来の子供たち”をおもんばかって主張しているのか疑問な人たちさえもいる。最近の暮しは、あらゆるものがどんどん変化していくが、そのこと自体がわれわれを「ほんとうの倖せ」から遠ざけていくような気もする。もっと、モノや環境の変化はゆっくりでいい。われわれ人類は何千年もかけて、今のような“暮らしの環境”を作った。何千年もかけて“整えてきた環境”を「何十年かで変えよう」とすること自体、ムリがあるのではないだろうか。
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