本来は“古代ギリシャ”の精神を引き継ぐのが「近代オリンピック」の“はず”であった。けれども、いつの時代からか、あらゆる部分で「参加することに意義があった」はずの“スポーツ競技大会”は汚れていった。もはや古代ギリシャの精神などみじんもない。だから昨日「聖火」が走っている途中で消えてしまったのは、むしろ当然なのだ。本来、ギリシャで採火された「聖火」は昨年3月20日に日本にやって来た時から「消してはいけない火」として点火・継続してきたはずなのに、それが一年越しに国内を走りだした“その日”に原因不明で消えてしまうなんて、すぐに点け直したから問題ない、と言えるようなものではない。明らかに、もはや「聖火」は“聖火”ではなくなって、ただの“燃える火”と化したのだ。これは、ただ単に「誰が悪い」とか「何に問題がある」とかいうようなことではない。もはや、オリンピックそのものが「古代ギリシャの精神」から大きく外れて、商業化され、プロ化され、巨大資本が動き、各国の政治思惑が絡み、科学や芸術の“押し売り”となり、何千人ものメダリストが誕生し、観光産業が手ぐすね引いていた状態が“異常”だったのだ。私は以前から“何千人ものメダリスト”を誕生させることに違和感を持っている。競技が“細分化”されすぎている。少しでも、いろいろな国に「メダリストを誕生させたい」という想いからなのだろうか。けれども結果的には、一分の国だけが“何百個”ものメダルを持っていく。それがオリンピックなのだ。競技の放送にしても、けっして平等ではない。一部の“人気競技”だけは何十回も繰り返されるが、あまり一般的ではない競技は、たとえ日本の選手がメダルを獲得したとしても実況放送されない。競技のための練習費用も、自分で賄わなければならない。大手のスポンサーが付いている選手は、たとえ敗れてもスポットライトを浴びるが、人気のない競技のメダリストはスポーツ新聞の片隅でしかない。国としての扱いも、明らかに違っている。一般的に「知られていない国」に群がるカメラマンはいない。もはや、オリンピックに「聖なる火」など、求めてはないないのだ。
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