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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


外見の「多様性」より、生き方の「多様性」を


とうとうというべきか広末涼子氏が離婚を公表した。「ダブル不倫報道」が始まったのは6月上旬だから、あれから1か月半が経っている。週刊誌で始まった報道はまたたく間に伝播し、マスコミ総出動のような形で報道合戦となってしまった。さらに一般人のネット批判が加わる。こうして、まるで“喧嘩両成敗”のような形で、それぞれの人物が批判を浴びた。つまり、広末涼子氏、キャンドル・ジュン氏、鳥羽周作氏、その妻……というメンバーだ。“その妻”だけは一般人であるが、その家族しか知り得ない内容を暴露した可能性があり、そういう意味では今回の報道合戦において“完全部外者”とは言い難い。そして、その四人ともが最終的に人民裁判的な“ネット批判者たち”の被害者となった。もちろん、多少は“自業自得”の部分もある。けれども、不倫の代償はあまりに大きい。一時的にはキャンドル・ジュン氏の店は大繁盛したという報道もあるが、野次馬的な見物人たちが去った後も大繁盛するかは大いに疑問だ。なぜなら、あまりに「哀しい灯り」となってしまうからだ。本来は「希望の灯り」で売ってきたはずだ。広末氏も、鳥羽氏も、仕事や名誉や財産の多くを失った。大昔から、著名人のスキャンダルというのはマスコミが報道してきた。それも仕事のうちだから、それ自体は批判できない。ただ現代はあらゆるマスコミが“集中攻撃”をしすぎる。そして、もっと激しくバッシングして来るのが“ネット上の声”という奴だ。ほとんどの場合、それは一方通行であり、自らの記名もない。それによって、さまざまな人物が傷つき、亡くなる人物まで出て来ているが、容赦する気配はない。それは、書きこむ人々が「自分は“正論”を言っている」という意識があるからだ。現代は「多様性の時代」と言われ、それぞれの“生き方”を認めようという動きが世界的にあるが、それは主として「外見的な多様性」で必ずしも“生き方そのもの”としての多様性ではない。もし“生き方”の多様性を認めるのであれば、不倫をバッシングなど出来ないはずだからだ。マスコミ報道があったとしても「ふ~ん、彼女たちは、そうなんだ」で終わってしまう。それが本来「生き方の多様性」を認めるということだ。ところが、最近の世相は「生き方の多様性」は絶対に認めようとしない。自分と同じ“考え方”或いは自分と同じ“価値観”さらには自分と同じ“暮らし方”でなければ「敵」であるかのような捉え方をする。それぞれの考え方や、それぞれの価値観や、それぞれの暮らし方が、存在していることを“許すまい”という意識が強い。歌謡曲の歌詞などにも、それが反映されて、生き方を強いるような歌詞が多くなっている。もっと、それぞれの生き方を認め合えるような“世の中”にしていかないと、息苦しくなっていきそうな……。
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