「single-blog.php」* 有料カテゴリ:「今日の迷信・余言・禁言」は月額1,200円で読むことが出来ます。// ざっくりとは終了 // Header画像を変更する事

今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


怖くて止められなかった「楳図かずおの世界」


今のわたしなら怖ければ読むのを止める。TVでも怖いと感じれば、そこで視るのを止めてしまう。少年時代、青年時代のわたしは、そうではなかった。怖い、と感じれば感じるほど、その内部にのめり込んでいった。恐怖心と好奇心とが、わたしを掴んで離さない。もう、そこから、後戻りはできない。そういう“恐怖もの”“ホラーもの”を山ほど見た。漫画も読んだし、物語も読んだし、TVも視たし、映画もよく視た。とにかく怖いのに“恐怖もの”が好きだった。ところが、或る程度の年齢になってから、そういうものが嫌いになった。正確に言うと、嫌いになったのではなく、怖くなったのだ。より、怖くなって、近づくことが出来なくなった。楳図かずお氏の訃報が伝えられたが、いちばん先に頭に浮かんだのは「へび女」のような恐怖漫画の画像であった。わたしは何故か、自分が子供の頃から特徴的な“この名前”を知っているように記憶していたが、彼の履歴を観ると、高校生の時からすでにプロとして活躍していたようだ。それであれば、私が子供の頃に既に漫画家だったわけだ。正直、細かなことは憶えていない。ただ、この人の作品には単に“怖い”というだけでなく、なんとなく“心霊世界”そのものが背景としてあって、それが作品の主人公に“重なり合っている”とでもいうか、妙に生々しいのが特徴だった。だから、わたしは後年になって、この人が「まことちゃん」のような作品も書いていたことに正直、驚いたものだ。そういう“まともな作品⁉”とは「縁遠い人」のように思っていたからだ。そして、その後にはタレントとしてTVなどでも出るようになって、ますます分からなくなった。わたしの中では「恐怖漫画」の世界しか思い浮かばなくって、その主人公たちの“或る種の奇妙さ”のようなものが、いつまでも記憶から抜けていかなくて、どうしても“面白いキャラクター”としての「楳図かずお」というものを認めることが出来なかった。人は子供の頃の“恐怖心”は消せないし、残り続ける。彼の作品はそういう意味で、子供の頃に“魂を奪われる”と、その魂は“ふつうの世界”に戻ってくることは難しく、わたしのような奇妙な道を歩み続けることになる。
「ex-module-past-post-list-01.php」出力:single-post用の過去記事ループ処理

過去の記事一覧今日の迷言・余言・禁言