全体的特徴
ホロスコープ全体の特徴として、西半球に惑星が偏っていることが誰の目にも明らかです。すべての惑星が西半球に集中し、東半球には惑星が一つもありません。通常一つくらいは片側に入るもので、そういう点では異色のホロスコープと言えます。ホロスコープの役割から言って、東半球は“自主的言動や努力が導き出す運命”を表わし、西半球は“他動的な働き掛け、或いは相手側に引き摺られる運命”を表わし、彼女のように、西半球に惑星が集中している場合“誰と関わるか”“どういう相手と結び付くか”が大変に重要なポイントとなります。つまり、関わる相手次第で運命・人生が大きく異なって来るホロスコープの持ち主と言えるのです。
又、彼女のホロスコープでは、もう一つの特徴が“惑星度数”として示されています。つまり、多くの惑星が「7度前後」と「18度前後」とに集中しているのです。まず、第一のグループは、月―水星―火星―木星の四星で7度前後に集中しています。さらに、もう一つのグループは、金星・天王星―海王星―冥王星の四星で18度前後に集中しています。この二つの惑星グループから外れた太陽、土星、ドラゴンヘッドは、少なくとも彼女の人生の“主役的役割”を演じることはない惑星たちなのです。そして、ここでも太陽が外れているところから、彼女の人生は“彼女自身の意志”とはあまり関係なく、進行していくような傾向を持っていることが特徴と言えそうです。しかも、その太陽は冥王星の72度アスペクト以外は関わりを持っていません。もし、彼女の人生において、彼女の意志が強く働くところがあるとすれば、それは“生まれ変わり(変身)”の意志を示すときであって、これまでのイメージと全く違った“外貌・雰囲気・言動”の女性として変身した後の姿として表れる時―以外にはないのです。
アスペクト
既に述べたように、彼女のホロスコープにおいて特徴的なアスペクトは二つに絞られています。つまり7度前後に位置する惑星達―月―水星―火星―木星を結びつけている“第一のグループ”と、18度前後に位置する惑星達―金星・天王星―海王星―冥王星を結びつけている“第二のグループ”の二つです。「月」を伴う“第一のグループ”は、プライベートに強く作用し、月―火星の90度が気性の激しさを表わし、家庭生活にトラブル生じやすいことを暗示していますが、月―木星の60度は大らかな気性も備えていて、トラブル生じても援助の手が差し伸べられる形です。水星―木星の120度アスペクトは博学・多才で、歴史と外国に強いことを表わし、そういった方面・分野に進出していけば、より才能を開花させていくに違いありません。又、火星―木星の150度は衝動性のあること、性的エネルギーに満ちていることを表わし、海外進出の可能性も秘めている配置です。
「金星」を伴う“第二グループ”は、まず金星・天王星が0度アスペクトで一体化し、愛することにかけては“自由奔放であること”を表わしています。決して社会の規約に縛られることなく、突然愛を感じて一緒になり、突然愛する人と離れ決別する…人生を、今後も歩みがちです。金星・天王星が0度で結び付いている人で、順序立てた結婚や離婚を行っている人を私は知りません。子供が生まれたから母性が目覚めて家庭的に変わる…ということも私には信じがたいことです。又、このアスペクトは、俗にいう“不倫・愛人関係”を生じやすいアスペクトです。
金星・天王星―海王星―冥王星の四星は、金星・天王星を頂点として“二等辺三角形”を表出してもいます。したがって、彼女の愛情問題には、常に“理想・幻想”と“復活・変身”が付き纏います。元々備えている影響を受けやすい性質・体質が、恋愛や結婚によってより助長されやすくなるのです。相手次第でどうにでも変化していく可能性を秘めているのが彼女なのです。
注目すべきトランジット度数
彼女の人生前半を支配しているトランジット惑星は海王星であると言えます。まず、彼女がTVドラマ『愛していると言ってくれ』でデビューした年、トランジットの海王星は「やぎ座」24度にあって、出生時のアセンダント(上昇点・ASC)に対し120度アスペクトで刺激していました。理想が現実化しやすい時期であると共に、対人関係にも恵まれていきます。その後、映画『クロスファイア』で主役を演じるようになった年には、トランジットの海王星は「みずがめ座」5度にあって、出生時のMC(南中点)に0度で重なっていました。夢が叶う時期であると共に“仕事上で勘が閃きやすい時期”でもありますが、彼女は正に「超能力者」というピッタリの役だったのです。TVの連続ドラマで初主演となった年の海王星は「みずがめ座」8度で、出生時の月―水星―火星―木星の四星に対して、120度、60度、30度、180度のアスペクトを投げ掛けています。
押尾学と出逢った2005年の海王星は「みずがめ座」16度となって、出生時の金星に対して90度アスペクトなのです。“予期せぬ恋愛”が生じやすいと共に、一般的には不倫や三角関係など複雑な関係に発展しやすいアスペクトです。翌2006年11月13日に「結婚」を発表しますが、それはトランジットの海王星が17度に位置して“正確な90度”を作り、さらに出生時の天王星、海王星、冥王星にもアスペクトし、彼女自身が先天的に持っている“愛によって全てが変容する”現象を引き起こします。なお、この時トランジットの土星は「しし座」24度にあって、アセンダント(ASC)と90度です。対人面が極端に悪化しているはずです。
押尾学の麻薬事件が起きた2009年はトランジットの海王星は直接関与せず、その代わりのように冥王星が「やぎ座」1度となって出生時の太陽にピッタリと0度で重なっています。これは彼女が“生まれ変わらなければならない”時期に来ていることを表わし、それまでの生活が一変するのが常です。同じ時、トランジットの土星は「おとめ座」19度にあって、出生時の金星・天王星・海王星・冥王星とアスペクトしていました。トランジット惑星から彼女の今後を予測してみると、天王星が「おひつじ座」7度を通過する2012年5月~6月にかけてプライベートや仕事上での大きな変化が生じて注目を浴びることでしょう。