「真夏の青い空」は不思議だ。ただ「青い空」なのに、僕を“昔へ”“昔へ”と引き摺り込んでいく。
多分、あの頃の色と同じなのだ。あの頃の空と同じなのだ。だから、“記憶”が前に出て来たのに違いない。
ぼくは、あの時も「空」を見ていた。それも窓からだった。二階の窓だった。家の向いが食料品のお店で、店先には八分の一に切られたスイカが並べられていた。僕は食べたことがなかったので、その美しさに魅了されていた。
僕はいつも一人だった。窓から「青い空」ばかり見ていた。母は病院に居た。
商店街の通りだったので、いつもどこからか、大きな声が聞こえていた。だから、うるさかった。
「青い空」を見ていると、僕はいろいろな人間になれた。少年剣士とか、少年探偵とか、少年レスラーとか、そういう人間だった。かわいい少女を救ってあげる役だった。時々“悪者”が僕を襲ってきた。僕は必死に戦い、必ず、最後は“正義だから”勝つのだった。いつも、そういう戦いをしていたから、忙しかった。
僕は一人で「空」を見ていたけど、本当は“戦いをしていた”ので、“美しいスイカ”をそんなに食べたいとは思わなかった。部屋の中は薄暗く、蒸し暑くて、誰もいなかったけど、僕は忙しかったので、寂しくはなかった。
或る時、僕は少年剣士だったのだが、“悪者”に“般若の仮面”をつけられてしまった。これをつけられると、その心まで“般若”となって悪人が住み着き、次々と少女たちを捕まえ、悪徳代官に売り渡す役に代わるのだった。僕は必死に仮面をはがそうとするのだが、はがれなかった…。
そのあと、どうなったのか、よく思い出せない。確か、仮面をはがすためには、何かを探し出さなければならないのだが、それが何だったかも、憶えていない。“美しいスイカ”は、クレヨンで書いたような気がする。
あの「青い空」は、どこへ行ったのだろう。この12階から見える「空」じゃない。
僕の「青い空」は、これじゃないんだ。似てるけど、違うんだ。“美しいスイカ”もないし、“街の大声”も聞こえない。第一、僕はもう“正義の味方”なんかじゃない。“勝てない”し、この“仮面”も、なぜだか剥がれない。きっと、あの時から“仮面”をつけたままだったんだ。
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