全体的特徴
注目すべき二等辺三角形が、三つ表出されています。その一つはMCを頂点とするもので、火星・木星―MC―冥王星による二等辺三角形です。その一つは土星を頂点とするもので、金星―土星―天王星による二等辺三角形です。さらにもう一つは火星・木星を頂点とするもので、太陽―火星・木星―冥王星による二等辺三角形です。
出生時に天空上で形成されていた“三つの二等辺三角形”が、彼の“波乱に満ちた人生”を見事に表わしています。MCを頂点とする二等辺三角形は、エネルギーの溢れた“職業的チャレンジ精神”の表れであり、タイミングさえ合えば、あっと言う間にトップに上り詰めていくパワーを感じさせます。
但し、同時に予期せぬ怪我・病気には要注意のサインも出ています。土星を頂点とする二等辺三角形は、愛情関係において“宿命的に病を抱える形”を宿していて、彼にとって“愛することは苦悩を抱え込むこと”だと理解していなければなりません。
火星・木星を頂点とする二等辺三角形は、彼に“灰の中からでも立ち上がる復活能力”を授けていますが、同時に“トラブルを抱え込みやすい人生”を象徴しています。又、第7ハウス内にドラゴンヘッドがあって、秘教占星学上、前世的、或いは家系的な因縁がある相手と結ばれ、その相手とは因縁が解かれるまでは離れることがなく、宿命的な重荷を背負いながら縁が続いていくことが暗示されています。
アスペクト
アスペクトの中で、中心的存在を担っているのは火星と木星です。この二つの惑星が0度アスペクトで一体化し、二つのアスペクト図形(二等辺三角形)に関わりを持っていることは、火星・木星によってもたらされる作用が、彼の人生に及ぼす影響力の大きいことを物語っているのです。
多分、彼は“自分の好きなこと”“今現在興味あること”に対して夢中となり、激しい情熱を注ぐタイプで、それが一気に膨張・拡大していくけれども、或る時期が訪れると“風船が弾けてしまった”ように熱意を失い、又、新たなる興味の対象を求めてさまよう人生となる可能性も秘めています。それがMCを頂点とする三角形は“仕事”に向かい、太陽や冥王星と繋がる三角形は“蘇える不死身のパワー”となって、スポーツ・恋愛・SEX・投資・ギャンブル・何かを創造する趣味…に向けられる可能性が強いよう感じられます。
又、もう一つの二等辺三角形である土星を頂点としたアスペクトは“目上との関係に負い目を感じやすいこと”“女性との間に緊張関係が生じやすいこと”を表わし、父親や相撲協会(一般報道では、弟・貴乃花との確執が取り上げられがちですが、出生図からは父親・目上との関係の方が重要)からの呪縛に悩み、理想の恋愛・結婚を求めながら、実際にはギクシャクした関係から抜け出せず彷徨うことを物語っています。
注目すべきトランジット度数
人生上の主要な出来事の年時に、各惑星のトランジット度数を当てはめると、1度前後、11度前後、24度前後に位置しているとき、運命的な事柄が起こっているよう感じられます。
例えば土星は初土俵が「やぎ座1度」、横綱昇進が「おうし座1度」、木星は初土俵が「おうし座1度」、新十両が「かに座1度」、天王星は初土俵が「やぎ座0度」、海王星は横綱昇進が「みずがめ座1度」、冥王星は再婚が「やぎ座0度」の時に起こっています。次に11度前後は、木星が初優勝の時「てんびん座11度」、土星が結婚の時「うお座12度」、天王星が横綱昇進の時「みずがめ座11度」、冥王星が初土俵の時「さそり座12度」となっています。続いて24度前後は、木星が「若乃花」に改名した時「さそり座24度」、再婚した時「やぎ座24度」、土星は新十両の時「やぎ座23度」、初優勝の時「みずがめ座24度」、相撲協会を突然退職した時「おうし座25度」、父親死亡の時「かに座24度」、天王星は結婚の時「やぎ座 25度」、海王星は結婚の時「やぎ座23度」、冥王星は初優勝の時「さそり座25度」、父親死亡の時「いて座24度」となっています。
出生図において1度前後に位置している惑星は、木星・いて座0度と、海王星・いて座2度のみです。出生図で11度前後に位置している惑星は、金星・いて座 12度のみです。出生図で24度前後に位置している惑星は、ドラゴンヘッド・みずがめ座24度のみです。