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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


理由を明かされず「120億円の映画」が非公開


最近の日本は映画制作に巨費を投じれない。だから、もちろんバブル期のように「何十億円をかけて制作した映画」などと言うのは存在しなくなった。いま、これを行えるのはアメリカと中国以外にはない。そこで出て来た話が、120億円の製作費を投じたハリウッド映画の『バットガール』が撮影完了し、編集も最終段階まで来ていた段階での“制作・上映中止”というニュースだ。監督や主演俳優にも、何も知らされずに決定され、そして理由すらも明かされずに“幕引き”された。この映画を監督したエル・アルビ&ビラル・ファラーのコンビは、大きな仕事が終わってモロッコに滞在している中で“それ”を知った。「大変にショックを受けています。まだ信じられません」のコメントが、その「寝耳に水」感を表している。もちろん主演のレスリー・グレースにも“それ”は知らされたが、主演俳優らしく、7か月間を共にした撮影スタッフ全員に感謝の言葉を捧げている。内容が極端に悪かったとかとか言うことではない。それなのに理由すら告げられず、半年以上を掛けて、おそらくは数百人のクルーがいたであろう作品はボツとなり“永遠のお蔵入り”となった。その制作に関わった人々には、悔やんでも悔やみ切れないことだろう。映画のような巨費が投じられる芸術は、その作品に投資する出資者が居て初めて成立する。金のかかる芸術は一種の“投資”で元が取れる保証は全くない。日本でも、映画制作によって“借金を抱えた”芸能人は多い。現在は北野武監督作品が「お蔵入りか⁉」と騒がれている。もっとも、日本の最近の映画制作は“数千万円”で済ませることも多いと聞く。そのせいか“地味な作品”が多くなった。日常に密着した“地味な作品”には優秀な出来栄えのものもあるが、総じてドラマとしての華やかなストーリーには欠けていて、大ヒットにはつながらない。それでも“そこそこの収益”になれば、制作する側も、演じる側も“報われる作品”ということになる。今回のように、巨額の製作費をかけ半年以上にわたっての撮影をこなし、編集上でも最終段階まで来ていた作品がボツとなるのは“やりきれない”に違いない。せめてワーナーブラザースは、その理由だけでも監督や主演者に伝える義務があるのではないだろうか。
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