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運命の主役者たち

人は運命にどう立ち向かうべきなのか


人は誰でも「運命の主役者」として、自分自身の人生を歩んで行きます。 あなたの人生上の出来事を、もっとも完璧に演じきれる主役は、あなた以外には考えられないのです。 ただ、その人生が世間的注目を浴びるかどうかは別問題です。 ここでは、運命としか呼びようのない人生を背負わせた人々のホロスコープや命式を解説しながら、人は運命にどう立ち向かうべきなのかを一緒に考えて行こうとするものです。

病状が心配される中森明菜さんの光と影

中森明菜さんのデータ

1965年7月13日午後8時20分
東京で出生
1981年
オーディション番組「スター誕生」3回目の挑戦で最高得点により合格。
1982年5月
「スローモーション」でデビュー。同年、2曲目の「少女A」が大ヒット。
1983年
年間ブロマイド売り上げ №1となる。
1985年12月
第27回日本レコード大賞で「ミ・アモーレ」により大賞受賞。
1986年12月
第28回日本レコード大賞で「DESIREー情熱」2年連続の大賞受賞。
1988年
TV「ザ・ベストテン」のランキングで69週1位を獲得。
1989年7月11日
交際中だった歌手・近藤の自宅マンションで自殺未遂。
1992年
連続TVドラマ「素顔のままで」に主演。最高視聴率31.9%。
1993年
個人事務所「NAPC」設立。「MCAビクター」に移籍。
2006年6月
パチンコ台「CR中森明菜・歌姫伝説」導入。ヒット機種となる。
2010年10月28日
体調不良により、すべての芸能活動休止が発表される。

ホロスコープの解説

全体的特徴

ホロスコープ全体の特徴として、出生時点における惑星のほとんどが、星座はそれぞれ拡散していますが11度~20度の10度間(第2デカネート)に集中していることです。それから外れているのは「てんびん座」7度(第1デカネート)に位置している火星のみです。したがって、先天的には主要惑星のトランジットが第2デカネート内に在る時以外、運命的とも言えるような“決定的出来事”は生じにくいと見られます。そういう観点から言うと、2010年~2011年にかけトランジットの天王星や海王星は無関係の位置にあり、土星と冥王星だけが第1デカネート内にあり、トランジット土星が出生時・火星を刺激することで生じやすい“病気”“トラブル”“事件”、及びトランジット冥王星が出生時・火星を刺激することで生じやすい“破壊”“改造”“復活”などの現象が起こりやすい運気の中にある…と判断されます。
ホロスコープを見ると惑星は広範囲に分散していて偏りは少ないのですが、月と土星以外は西半球(MC―IC間)に傾き、環境・関わる相手・周囲からの影響を受けやすい生まれであることが解ります。太陽と月とは180度アスペクトで真向かいに位置し、社会生活と私生活とが激しくせめぎ合っています。仕事を取れば愛情を失い、愛情を取れば仕事を失う―惑星配置です。本人自身も、意志的な行動を貫こうとすると、情緒面が不安定となり、気分のまま衝動で突っ走ると、目標としていた信念・計画が崩れていきます。
出生図のDES(下降点)付近には、水星と金星の0度(会合)があって、身近な相手や周囲の期待に応えようとする本能から歌唱に取り組む姿勢が顕著です。又、常にパートナーとは電話やメールで愛を確かめ、まるで“幼い兄妹のよう”一緒に居ることを望んでいるようです。
出生図上には、太陽―海王星―土星による“正三角形”のアスペクト図形が出現しています。スケールの大きい人生を歩む形で、社会的に成功するチャンスが与えられる三角形ですが、現実と理想のはざまに立って煩悶しやすい惑星配置でもあります。

アスペクト

多くの惑星が複雑に交錯している惑星配置ですが、その複雑さの主役は第1ハウスで「うお座」17度に位置している土星です。この土星は、木星に90度、太陽に120度、水星に150度、冥王星に180度、海王星に120度、月に60度と、6つの惑星とアスペクトが成り立ち、彼女の運命をリードする惑星の一つとなっています。「勤労の星」である土星は、基本的には“働き者”で“努力家”でもあり、性質も“真面目”ですが、軽やかに人生を歩める人ではありません。土星を含めた“正三角形のアスペクト図形”を備えているので、仕事上の協力者は出現しやすい筈ですが、性格的な矛盾点も多いため“扱いにくいタイプ”と受け止められがちです。水星と土星の150度アスペクトは、相手や周囲からの言葉を重く受け止めすぎ、憂鬱感を抱きやすいアスペクトです。又、仕事上では必要以上に細かな部分に拘りがちです。太陽と海王星との120度は“理想主義者”であり、名誉運の強い生まれでもあります。理想に向かっている間は活き活きとしていますが、理想が崩れ幻想と化してしまうと、茫漠たる人生の放浪者となりがちです。
太陽と土星の120度は仕事熱心であるだけでなく、年長者達から好かれる星の配置でもあります。“おじいちゃん的な人”を大切にすることが復活への起爆剤となるはずです。また“土に親しむ生活”をすることが、健康を取り戻していく上で重要であることをも暗示しています。
水星と金星とは0度で重なり合っています。これは作詞家・作曲家との相性が重要であること、自らも作詞・作曲・企画・デザインの素質を持っていること、兄弟のような存在の人にマネージメントを依頼すると良いこと、一緒に仕事をしていく相手とでなければ結婚は難しいこと―などを物語っております。
ホロスコープの中で火星だけが孤立していて“ノーアスペクト”です。これは彼女の人生の中で、無目的な行動、無意味な闘争、虚しい性衝動が繰り返される可能性を示唆しています。繋がりのない火星は、人生の中でその部分だけが切り離されるので、的を定めた行動・闘争・SEXを行いにくいようです。

注目すべきトランジット度数

彼女の実人生に照らしてトランジットの惑星を追っていくと、MCの位置が重要な役割を果たしている事実に気付きます。まず、デビュー年月ですが、この年トランジットの天王星は「いて座」3度へと進み、彼女のホロスコープMC位置に来て0度で重なります。センセーショナルなデビューが促された形です。このときトランジットの木星は「さそり座」3度で、MCに対し30度アスペクトでサポートしています。注目すべきはトランジットの土星で「てんびん座」17度に位置し、出生時の木星に120度、月に90度、海王星に30度、土星に150度アスペクトです。
次に、彼女が日本レコード大賞を受賞した年月は、トランジットの天王星が「いて座」19度で太陽に150度、月に30度、木星に180度、土星に90度、海王星に30度アスペクトです。またトランジットの海王星は「やぎ座」3度でMCに対して30度アスペクトです。さらにトランジットの木星は「みずがめ座」17度で、アセンダント(上昇点・ASC)に0度で重なり、出生時の木星に120度のアスペクトです。翌年もレコード大賞を受賞するのですが、その時にも木星は「うお座」17度で、奇妙なことに“17度”の位置は同一なのです。この「うお座」17度は出生時の土星位置と同一であり、出生時の木星と90度、出生時の海王星と120度のアスペクト関係を作ります。
彼女が自殺未遂をした年月日は、トランジットの海王星と土星とが「やぎ座」10度で重なり、出生時の天王星に120度、ドラゴンヘッドに150度アスペクトです。トランジットの冥王星も「さそり座」12度でドラゴンヘッドに150度、天王星に60度で、計画されたものではなく衝動的、発作的な自殺未遂であったと考えられます。トランジットの火星は「しし座」14度で出生時の金星と0度で重なり、男女間のトラブルが引き金になった…と推測されます。その年末に行われた謝罪会見時は、トランジットの冥王星が出生時の海王星に0度で重なり、トランジットの土星が出生時の金星に150アスペクトで、強制的に別れることを強いられたこと…を暗示させます。
1993年の個人事務所の設立時はトランジットの天王星と海王星とが「やぎ座」で重なり、出生時の太陽に180度、月に0度、木星に150度です。自分から独立したというより、独立せざるを得ない状況だったのかもしれません。ちなみに、いったん閉鎖した個人事務所が、現在の形で再スタートを切った2000年はトランジットの天王星が「みずがめ座」に移り、出生時の太陽に150度、月に30度、木星に120度です。ここでも星座は違えども“同一度数に位置している”ことが注目されます。
体調不良から緊急入院した2010年9月は、トランジットの土星が出生時の火星に0度で重なり、2011年2月後半から3月にかけてトランジットの冥王星が出生時の火星に90度アスペクトを形成します。したがって、もし、彼女の病状に大きな変化が出るとすればこの時期であり、冥王星の好い部分が出れば“復活宣言”となり、悪い部分が出れば“大手術”などの危険な状態が訪れるかもしれません。

四柱命式の解説

全体的特徴

日干「戊」で、地支に「未」「辰」「戌」の“土行三支”が揃っていて、これに「丑」が加わると、「土」の“一気格”が形作られる命式構成となります。又、生まれ月日の関係から、まだ「土用期間(7月20日~8月7日)」に突入していないので、むしろ実質的には「午」が加わることで“方合火局(巳・午・未)”が成立する十二支構成です。
日干「戊」に対して月支「未」の蔵干中「己」を採用すると「劫財星」が表出され“異性とお金に要注意”の命式構成となります。この場合、日干と月干の“干合(戊―癸)”を採用し、“合火”が成立と見れば「戊」=「丙」に、「癸」=「丁」へと命式変化を起こします。仮に、その場合は日干「丙」に対して月支「未」の蔵干中「丁」を採用すると、ここでも「劫財星」が表出されます。つまり、どういう解釈を用いても「劫財星」主体の命式構成であることは変わりがありません。
日干と月干とが“干合”する命式は、人気商売の人達に多く、環境に順応しやすく、社会的に関わる人達によって、その性格も外貌も大きく変わっていく可能性を秘めているのが特徴です。
この命式では年干に「正官星」、月干に「正財星」が並び、若くして成功する人に多い星の配置となっています。ただ、天干に「正財」を見て、月支蔵干に「劫財」を見ると、正財の良さが発揮されません。つまり、若くして社会的な地位・名誉を得ても、金銭・財産は何故か身に付きにくい運命と考えられるのです。
また、日支蔵干が「比肩星」となって、相手との競争意識が表に出るとギクシャクしがちな恋愛・結婚運となります。兄妹のような関係を保つことが出来れば、トラブルのない満たされた愛情生活を送ることが出来ます。なお、日干支が「戊辰」となるのは常に協力者の得られる組み合わせで、どのような環境下でも“サポートしてもらえる人生”となることを物語っています。

運気的に注目すべき干支

彼女の人生を振り返ると、日干「戊」を強める年に幸運が与えられ、「正官・乙」を“干合”で奪い去る「庚」年に名誉が失われやすいようです。例えば、デビュー年は「戌」で日干を強くし、デビュー月は「正官・乙」で、社会的地位を確立するのに相応しい船出です。日本レコード大賞を獲得した1985年は「丑」で、この十二支が加わることで、命式の中に「丑・辰・未・戌」の四支が揃って“土行”を完成し、日干「戊」を極端に強めるのです。
彼女の四柱組織の中で、天干から表出される「正官」「正財」「偏財」が活発化して、社会的な成功と財運とをもたらす命式構造へと変化するのです。又、日干が強められることで、本人の個性が強まり、その個性が輝きを放つように変わっていくのです。さらにこの年は「正官・乙」年で“名誉”“地位”を与えられるのに相応しい運気となっていたわけです。TV「ザ・ベストテン」において、69週1位獲得という記録を打ち立てた1988年は「戊辰」で、出生日干支と同一です。その存在感が一段と世の中で評価されると共に“身動きできない孤立感”のようなものを感じていたに違いありません。
「干支暦」の構成から言って、出生日干支と同一の年は“60年に1度”必ず廻って来ますが、人生の活躍気に訪れれば社会的には評価を高めますが、反面、プライベートでは孤立感や責任感を人一倍強く感じて、身動きできない重圧や苦悩を抱え込む例が多いものです。自殺未遂を引き起こした1989年7月11日は「劫財・己」年「傷官・辛」月の“失恋・傷心の年月”で、芸能活動休止となる翌年「庚」の“干合年”へと引き継がれていきます。
ちなみに2000年の「庚」はトラブルの果て“新たな事務所”を立ち上げた年であり、昨年2010年の「庚」は“活動休止”を余儀なくされた年です。「土」の五行を強める1994年の「戌」年は、その後シリーズ化された『歌姫』がリリースされた年であり、2006年の「戌」年は、ヒット機種となった「CR中森明菜」のパチンコ台が導入された年です。2011年の3月は「辛卯」が、年・月とも重なって、彼女の「正官・乙」を強めるので、もしこの時期から仕事復帰のめどが立てば“蘇ってくる可能性”は大いにあるものと見られます。

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