これは事件を推理小説化したものである。宮司の弟である富岡茂永容疑者は、神社本庁からの電話を“そそのかし”だとは気付いていなかった。生来、生真面目である茂永は、内縁の妻から「あなたのせいなんだから…」と強く迫られ、これはもう“最後の手段しかない”と勝手に思い込んでいた。その思い込みとは、実の姉である宮司を殺害して、自らも自決する、というシナリオだった。ただ内縁の妻は、そう思っていなかった。あくまで姉である宮司に、日本刀を突き付けて脅迫し、姉自らが“宮司の座”を、弟に譲り渡すよう誓わせる手段と思っていた。まさか、実際に殺して、そのあと自分をも殺害し、自らも自決してしまうなど夢にも思っていなかった。だからこそ、一緒に行動しようとしたのだ。いや、正確に言えば、自分が主導して“宮司を脅迫しに行こう”と内縁の夫を誘ったのだ。けれども今回の茂永は、いつもと違った。いつもなら、気弱に「筋を通すなら俺が宮司に成るべきだけど…」で留まる反応が「わかった…今度こそ決行するよ…それが神社のためなんだ」と訳の解からないことをつぶやいた。そして、日本刀とサバイバルナイフを用意してきた。嫌な予感がした。もしかして、本気で殺すつもりなのではないかな…と思ったからだ。だから「神殿の中で脅した方が良いよ」と言ったのだが、茂永は意に介せず「神殿の中はダメだよ、汚れてしまう、襲うなら車から出てきたところさ」と譲らなかった。いつものように、実姉である宮司・富岡長子氏は運転手付きの車で神社内に入ってきた。車が止まったのを見て二人が駆け寄った。いつものように運転手が先に出て来て、後ろのドアを開けようとした。どけよ、という声に振り返り「あれ、茂永さんじゃないか?」と訝った。間髪を入れず、茂永の日本刀が運転手を切りつけた。内縁の妻は素早く車内から逃げようとした姉を捕まえた。次の瞬間、振り向いた茂永の日本刀は姉をも突き刺した。あっけにとられる内縁の妻の目の前で容赦なく姉の首をはね、血がどっと噴き出てきた。「なんで殺すの?」茫然とする内縁の妻にも、茂永は日本刀を突き刺した。そして最後に、自分の腹にもサバイバルナイフを突き立てたのだった。辺りは凄惨な“血の海”となった。「神社本庁から離脱した神社はどうなるか、君なら判るだろう、神に変わって君自身が征伐したらどうだい」昨日、電話口から聞こえて来た神社本庁幹部の声が、意識が薄れていく茂永の耳に心地よく蘇った。
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