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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


考古学者が、古代の彫像を工具で破損する映像⁉


エジプト考古学者として知られるザヒ・ハワス博士が地元の政治家から「古代の彫像を壊した」ということで批判を浴びている。近年、エジプトではあちこちで“新たな遺跡”が発見・発掘されている。つい最近もトトメス二世の墓が発見されたばかりだ。そこで負けじとサッカラで発掘を行っているのが、大御所のザヒ・ハワス博士だ。そうして見事に遺跡の中から“古代の彫像”を発見したまでは良かったのだが、そのあと、すぐ掘り出そうと焦ったのか、電動工具で彫像の下半身を傷つけてしまった。その結果、彫像は完全に発掘される前の段階で、博士のドリルによって、その下半身の部分が崩れ落ちてしまった。しかも、ザヒ博士は“その過程”を自らの動画で公開してしまったのだ。もしかすると、自分だって、こうして“新たな彫像”を見つけ出している……と見せつけたかったのかもしれない。ところが、当然のことながら、考古学ファンからも、地元の議員からも、単独で電動工具だけで彫像を掘り出そうとした博士の“暴挙”は快く思われなかった。発見映像は「損壊映像」として拡散したのだ。実際、通常の発掘作業では、或る程度までは電動工具を使ったとしても、そのあと“形が見え出した後”は、慎重に手作業で周囲の砂岩や土壁を取り除いていくのが普通だ。それを一気に電動工具で切り崩そうとしたのだから、だれが見ても“損壊行為”に視える。しかも、それが素人ではなく、名のある考古学者が行ったということが理解に苦しむ。地元政治家たちが、こぞって博士を批難したのは当然だった。少なくとも博士の行為は、あまりにも遺跡に対するデリカシーに欠けている。彼自身は「すぐ修復して、元通りになったから問題ない」と発言したそうだが、この発言もデリカシーがない。遺跡が意味を持つのは、その当時の人たちが、どういう意図をもってそれを作ったのか……にもある。古代エジプトの場合、死者に対して“来世における生命の証し”として、さまざまな彫像を捧げている。そういう意識に立つなら、簡単にというか、強引にドリルを使って“掘り起こすこと”自体が、その尊厳を踏みにじる行為に当たる。そんなことはエジプト学の権威であるザヒ博士は当然知っている。たぶん、それよりも「我が発見」を動画として公開したかったのだ。もともと“権威主義的な要素”を持っている人物だったが、自らの弱点を、こういう形で世界に知らしめてしまった。
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