歌手の「塩ノ谷早耶香」さんが自らのブログの中で「芸能界引退」を公表した。もっとも、ほとんどの方にとっては“知らない歌手”に違いない。私も知らなかった。4年前にメジャーデビューしている。苦しみぬいた末の“結論”のようである。昨今の芸能界では、デビューして3~4年後の早い段階で自ら“引退を決断する”若者も多くなった。TVや雑誌などで見て憧れる芸能界と、実際に職場として中で過ごす芸能界とではおのずと違っている。そんなことは理解していたつもりで入って来ても、種々な場面で矛盾や理不尽を感じることが多かったに違いない。一見、華やかに見える世界ほど、その裏側は“醜い部分”も多い。歌手だけではない。俳優、声優、お笑い芸人、漫画家、プロスポーツ選手、小説家、格闘家、キャスター、デザイナー、政治家、医師、弁護士、芸術家、舞踏家、IT起業家そして占い師も…それぞれが矛盾と理不尽の中で生きている。多くの場合、理想とする“職業の姿”を目指しながらも、自分が実際に行っている“職業の姿”に完全に納得しきれているとはいいがたい。誰かが、3%の人たちだけが理想と現実とが矛盾しない形でそれぞれの仕事を行い、それに値する収入を得ている、と言っていた。逆な言い方をすると、残り97%の人達は自分の“職業人としての姿”に満足していない。つまり“ほとんどの人”と言い換えても良い。それでも多くの人達にとって、その分野における成功者は輝いて見えるに違いない。けれども、その一方では、目指してきた分野で挫折し、“傷ついた羽”を休める場所を求めて流浪している人がいるのもまぎれもない現実なのだ。
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