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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


胎児「生きる自由」「拒否する自由」の対立⁉


アメリカは一応「自由の国」である。だから“どっちの自由”を優先するかでときどき揉める。今回の場合、宗教や思想も絡んでいるので、なかなかに難しい。大雑把に言えば“リベラル派”と呼ばれる人たちは「妊娠中絶の権利」を主張し、“保守派”と呼ばれる人たちは「自然の摂理に反する中絶」の撤廃を求める。別の言い方をすれば、中絶は妊娠した胎児を“拒否する自由”を求めているのであり、中絶反対は妊娠した胎児の“生きる自由”を求めている、ともいえる。これまでのアメリカでは“拒否する自由”の方が受け入れられてきて、50年前から「中絶は憲法によって保障された権利である」とされてきた。けれども、最近は“リベラル派”の思想が徐々に浸透し、一部の州では「妊娠15週以降の中絶を禁止する」と定めるところまで出て来た。これまでは“24週までの中絶を認めていた”州が多かったが、今後は「条件付き15週まで」に切り替えられていく可能性が出て来た。アメリカ人というと、われわれは何でも合理的に捉えがちに思うが、信仰心の強い家族は“自然の摂理”というものを大切にする。そういう人達は“中絶”というものを根本的に認めていない。一方、現代アメリカを代表する自由主義者は“胎児”の前に“自分たちの自由”を主張する。胎児の“生きようとする自由”の前に“拒否する自由”を優先するのだ。こうして、真っ二つに分かれての論争に裁判所が決着をつけようとしている。ところで日本の場合には妊娠22週未満の母体であれば“中絶”は認められている。アメリカは24週までなので、この2週の違いは何なのか、私には判らない。初期妊娠として12週までは“掻爬”する形が日本だが、アメリカは15週まで“初期”として扱う。妊婦の体力的な“差”の問題なのか。とにかく、アメリカでも日本でも「未入籍の子供」が多くなりつつあり、そっちの方が問題ではないかと私などは思うのだが、いったい神様は、どうやって子供の配分を天使たちに指示しているのか…。いや「天使」などというものは、そもそもいなくて、妊娠中に亡くなった「生きる自由」を与えられなかった霊たちが、寂しそうに故郷を見つめている……。
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