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今日の迷言・余言・禁言

未来と運命に対するヒントがいっぱい


1万人釈放で「犯罪」は感染しないのか⁉


世の中「強引な手法」というのは、あとになって“ツケ”が回ってくるケースが多い。フィリピンのドゥテルテ大統領と言えば、犯罪に対しての「強引な捜査や検挙」で知られている。特に、薬物の捜査や検挙では“強権発動”を繰り返してきた。ところが、当然のことながら、容疑者はいったん拘置所に入れなければならない。「刑」が定まっていない容疑者は、拘置所に集められる。どんどん集められる。ところが肝心の「裁判」の方は、どんどんとはいかない。つまり検挙に対して、裁判が追い付いていかないのだ。そうするとどうなるかというと、拘置所がいっぱいになる。フィリピンの拘置所はぎゅうぎゅう詰めなのだ。そこで何が発生したのかというと、勘の良い人は気付くように「新型コロナウイルス」の感染者が出た。拘置所内の入所者側と職員側の双方に出てしまったのだ。それでなくてもぎゅうぎゅう詰めの拘置所内は衛生管理が十分ではなく、中庭で寝る者、階段の下で寝る者など、それ以外の病気も発生しそうな状態である。しかもフィリピンは高温多湿でとにかく暑い。みんな上半身裸である。マスクをするとか、しないとか、そういう問題以前の状態なのだ。本来なら高温多湿の地域はウイルスが繁殖しにくい。だから他の東南アジア諸国は比較的感染者が少ない。フィリピンも3月まではそうだった。ところがここにきて急速に増えだし、昨日までで9223人の感染者、607人の死亡者である。そこで最高裁判所は2日、拘置所内の9731人を釈放したことを明らかにした。早い話が、容疑者たちを裁判所命令で逃したのだ。「命」の方が優先だからである。ただ首都マニラの郊外にケソン拘置所はある。せっかく捕まえたはずの釈放容疑者の数が半端ではない。彼らは一斉に市中に消えたのだ。消えた9731人が、その後にどんな生活をするか誰も予測できない。というか“犯罪”や“薬物”が感染しそうなことが目に見えているのだが、それには目をつぶって、釈放ってドゥテルテ大統領…こういう時には、意外にお静で…。
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