残念ながら私は予告編しか見ていないのだが、ベトナムの気鋭女性監督アッシュ・メイフェア作品「第三夫人と髪飾り」が話題になっている。数々の国際的な賞を受賞した作品なのだが、本国ベトナムでは4日間で上映禁止となった。あまりにも反響が大きく、社会問題となったからだ。19世紀のベトナム社会における男尊女卑を扱った作品で、富豪のもとに14歳で嫁いだ“第三夫人”と、彼女を取り巻く女たちの愛と葛藤を描いた映画である。ベトナムで上映中止に追い込まれたのは、触れてはならない禁断の歴史と主演女優が出演当時まだ13歳ながら第三夫人として“官能シーン”を演じたことにある。なぜか女優の母親が「お金で子供を売った」として猛烈なバッシングを浴びた。それだけ13歳女優の演技が“真に迫っていた”という証でもある。当時のベトナムでは“一夫多妻制”を認めていたので、そういう点から言えば“闇の歴史”ではない。メイフェア監督は、自らの曾祖母の人生とも重ね合わせる形で“14歳の第三夫人”を描いた。たくさんの女性たちの証言や記憶を基にしているのでリアリティーがあり、それがかえって現代のベトナム社会から反感を買ったのかもしれない。ベトナムだけでなく、19世紀の頃までは、あらゆる国や地域で一夫多妻が行われていた。現代でも、伝統的なイスラム教国では“一夫多妻制”を継承し続けている。もちろん、わが日本でも、そういう時代があった。女性達が「性差別」に立ち向かったのは第二次大戦後になってからにすぎない。それにしても母親がバッシングを受けるほどの“官能性”を13歳にして見せることが出来た女優グエンの演技も素晴らしいが、それを引き出したメイフェア監督の情熱と才能は並のものではない。近年、映画界は「日常」をテーマとするものが多くなった。それはそれで良いのだが、何かしら“物語”としてのスケール感が乏しい。そういう意味で、こういう抑制された形でストーリーの中で世界に語り掛けることのできる作品を日本の映画界でも、じっくりと長時間をかけて挑んで欲しい。
通常の事業と違って“高齢者施設”とか“介護施設”とか“児童保育”など公共性の強い事業の場合、或る程度、その地域における行政機関が“一定の基準”を設けて監督・指導する義務があるよう私 続きを読む
人間というのは、本人が「自分のことを一番よく知っている」と思いがちなものだが、こと“自分の魅力”というものに関しては、明らかに“他人からの眼”からの方が的を得ていることが多いものだ 続きを読む
昨年の7月にススキノで猟奇的な「首狩り殺人」が行われた事件で、共犯容疑で逮捕された母親の公判の中で承認に立った父親が提出した田村瑠奈被告と父親との“録音された会話内容”が大変に興味 続きを読む
いつも思うことだが、人間というか、人類というか、決して生命体としての「地球」に勝つことなど出来ない。人類はほんとうに“ひ弱”で、地球に“手も足も出ない存在”だということを再認識する 続きを読む
やや奇妙な形で“石破新政権”が誕生したかと思ったら、日本テレビとフジテレビが相次いで、新首相が30日に「衆議院解散の意向を表明する」との一報を流した。ほんとうなのだろうか。二つのテ 続きを読む
わたしがあえてここで述べる必要がないほど俳優の神田正輝氏の“衰え”は目立った。元々が“端正な外貌”であっただけに、近年における“その衰え”は異様なほどであった。だから、経済的な心配 続きを読む
奇妙な形で“石破自民党総裁”が誕生した。わたしは8月15日の時点で次のように書いている。《「先天運」として、その可能性(首相になる可能性)があるのは、小泉進次郎氏と石破茂氏と茂木敏 続きを読む
最初、新庄監督が「日ハム」で“監督として再出発をする”と知った時、だれもが「大丈夫か」と不安に思った。なぜなら彼は、最初の年「勝つことは考えていない」というセリフを発して関係者に衝 続きを読む
人は不条理な逆境に置かれたとき、どうやって自分の“生きる支え”を見つければ良いのか。そのヒントをこのニュースは教えてくれる。1948年に起こった“一家4人殺傷事件”で、当時23歳だ 続きを読む
世界的な経済の指標の一つに「フィラデルフィア半導体指数」と呼ばれるものがある。「SOX指数」とも呼ばれるが、要するに今の世の中を、或る意味で牛耳っている「半導体」の“勢いを数字化し 続きを読む