最近は“年齢不詳”の人が多くなった。吉本坂46の「さゆり」は50歳だが超ミニふりふりスカートでアイドル路線を突っ走る。そうかと思うと、苫小牧市の中学3年生(14歳)は7月30日“私服警察官”といういでたちで、札幌市厚別区の民家を訪れた。そこに暮らす70代女性から“キャッシュカード4枚”を預かるためである。70代女性は何となく違和感を抱いた。事前の女性警察官からの電話では「私服の警察官が伺います」と連絡を受けてはいたが、まさか、こんな子供っぽい警察官がくるとは思わなかったからだ。しかも、妙におどおどしていた。ただ“悪い人”にも見えなかった。そのぎこちなさから「新米警官で、何もわかっていないのだな」と警戒心を緩めた。「それではカード4枚をお預かりします」最後まで、新米警官は教えられた文言を話すロボットのようだった。このぎこちなさこそ、最近の特殊詐欺グループの「受け子」の特徴なのだ。被害者はあくまでも“カード”を渡している。現金を渡しているのではない。しかも、それは「預からせていただきます」という形で、新しいキャッシュカードに交換する手続きは警察の方で行ってくれる。だから手渡す。どうして新しいカードに交換しなければいけないのかというと、詐欺グループの名簿に“あなたの名前”があったからである。万一のためにカードを交換しておく必要があるというのだ。一人暮らしの老人は総じて用心深いので、犯罪を防ぐため“カード交換が必要”と言われれば、そして、その面倒な手続きは警察の方で行ってくれるということであれば協力しなければ…ということになる。昔の“息子になりすます”手法は使わない。警察官として、堂々と訪問する。ところが、実際には「受け子」である警察官には中学生や高校生を使う。“真面目な印象”“幼い印象”が被害者に「犯罪」を感じさせないからだ。もちろん、そのバイトに応募してきた中学生や高校生には「カードを受け取る仕事」とだけ伝えて仲間に加える。現金には抵抗があっても、カードを受け取るだけなら、罪悪感は乏しい。こうして14歳の中学生が預かってきたカードから、すぐに145万円が引き出された。70代の女性は違和感を抱きながらもカードを手渡した。けれども、その後、すぐ本物の警察に相談して「受け子」中学生はすぐに逮捕された。ぎこちないおどおどした14歳の警察官は、本物の警察官に逮捕されたのだ。
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